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ひげ爺の独り言 小噺 放談   「釣りと真鯛」

 『釣 り』           
 前項で海の話を書いたら「魚、釣り」の誘惑に駆られ暫時この題目で進めます。
「釣は鮒に始まり鮒に終わる」と言われるがヒゲ爺の場合「鯛に始まり鯛に終わった」
「かんこ(伝馬船の地方名)」を自由に扱える様になった中学生の頃親戚の「かんこ」を借りたり、近所の漁師の小父さん(近所に3軒あり)に同船させて貰ったりと小鯛釣に良く行ったのである。当時は湾内で充分な釣果が得られるほど小鯛も魚種も豊富で「ロッコウ(カサゴ)、メバル、モッゴ(モズ)、シジュウ(アイナメ)、エドトリ(ベラ)」等至って簡単な手釣道具で、餌は船虫や烏賊の切り身で充分釣れた時代である。
当時の湾内の海は澄み切り白砂と相俟って水深15~20mは優に見えた様に記憶にある。小鯛が釣れて海底からキラリキラリとテグスを巻く毎に上がって来る映像のネガが脳裏に焼付き釣り晩年の「鯛の追っ駆け」に繋がった様に思う。
船虫の獲り方は中々ユニーク、梅干の壷に西瓜の食べかす、胡瓜のへた等を入れ壷の口の内側に油を塗り、夕方岩場近くの砂浜に壷を砂地並行に為る様に埋めて置く、夜間匂いに誘われた船虫が壷口に触るとツルリと内側に落ちる寸法である。船虫は死ぬと強烈な悪臭を放つので生かして置く為先人が思い付いた方法であろう。
 以上が少年時代の「ヒゲ爺の釣り暦の走り」である。
二浪の末些か不貞腐れた時代外国航路の船に乗り昭和35年~40年は「釣り暦」の空白の時代である。唯二度ペルシャ湾にアラビア石油コンビナートの建設資材を運んでクエート?に行った。当時は港など無く砂漠の沖合いに停泊した時釣りをした程度である。魚の切り身等餌に鉛を入れても底に着かぬ内に一気の引き込みがある、それ程魚だらけで在ったに違いない。小型の魚は釣上げられるが大型で遣り取りをしていると必ず途中でスッと軽くなり頭だけが上がってくる。頭の下からは一噛みで食い千切られていた、鮫の仕業である。
これ等釣りとは言えない代物である。
 「陸(おか)に上がる」とは船員が船を辞め陸上の生活をするの意であるが
ヒゲ爺が陸に上がったのが昭和40年㈱河合楽器に中途採用で鳥取店に入社→
松江転勤(現在のオッカナイと子供1人置き単身赴任)→鳥取店にさと帰り→子供3人連れて→福山店転勤、当時は給料も安く転勤貧乏で「NO釣り時代である」昭和50年退職し、広島で某会社の代理店を起業し本社と合併し大阪に出た頃から漸く釣りの醍醐味を少しずつ味わえるようになった。当時は季節、場所に応じて釣る並みの釣り人であった様に思う。
釣りの醍醐味とは、自分で志向錯誤しながら、今日はどの仕掛けにするかどの釣法でいくか考えて、釣具を沈め魚信をまち魚との一対一の勝負をしている時である。大物を釣り上げた時は尚更である。
後年鯛の「追っ駆け」の頃、船のかかり釣りの場合1~2時間もさお先がピクリともしない事は度々あった。短気に属するヒゲ爺が修行僧宜しく沈思黙考し「太公望」の心境を味わいながら空を海を穂先を眺めながら平気で居られたのも釣りの醍醐味の一つに違いない。

閑話休題:
諸事有って退職したのが63年、釣り暦空白期間が3年程あった。
再開したのが平成4年の鯛の「乗っ込み」の時期、京都府の久美浜町に友達に誘われ久方振りに日本海に足を運び「鯛の大釣り」をしたのが「鯛の追っ駆け」
の始まりであろう。以降は真鯛に魅せられ日本海の鯛釣り専門になった。

                    『真 鯛』
 
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         2007 03月末 「乗っ込み」の大鯛 70cmオーバー
 
 鯛は魚の王様である。見て良し、食べて良し(旨し)日本古来より祭事には欠かせないのが目出鯛である。
 なに何鯛と呼ばれる魚はわが国周辺で200種以上いるがタイ科に属する魚は5~6種しかなく代表格が真鯛である。
「タイ」の語源は「タヒラウオ、平魚(タヒ)ァカメ(赤目)」等から「タは平たいこと」「イ、ヒは魚の意味」で「平たい魚」が鯛の呼称の語源であろう。
「赤い、平たい」等からタイ科の魚でもないのに末尾に鯛を付けた魚名が出来たのであろう。曰く、アマダイ、アコウダイ、キンメダイ、イトヨリダイ(何れも赤魚)、目鯛、マトウ(的)鯛、ニザダイ、フエフキ鯛、石鯛など等「平たい魚」からきた呼称であろう。
 鯛科の魚は真鯛、チ(血)鯛、レンコ鯛(キダイ)の三種に大別される。
真鯛の特徴は桜色の鱗に青い斑点がキラ星の如くに散り撒かれ尾鰭切り込みは鋭く後縁が黒く縁取りされている特徴。
チダイは真鯛に酷似しているが青い斑点は無く尾鰭の黒い縁取りも無い、鰓が血色をしており顎の後縁が赤いことで区別される。レンコダイは体型から異なり丸みをおび黄色を帯びているから黄鯛と呼ぶこともある。
真鯛の体長は1mを越すがチダイ、キダイは30cm前後が限度である。宴席で出される焼いた鯛の殆んどはチダイかレンコダイらしい、同型を揃え易く価格も真鯛の半値以下で焼いて仕舞えば真鯛と区別が付かぬと言うわけである。
 真鯛釣りのクライマックスシーズンは、「青葉カツオにサクラ鯛」と言われるように青葉若葉の季節3月から6月頃迄「「乗っ込み」(産卵期)でサクラ前線が九州から昇ってくる歩調を合わせるように北へ昇る。関西地域は3月末から5月半ば頃であろう。
醍醐味は「鯛の三段引き」と言って強烈な締め込みが釣り人を興奮させる、「乗っ込み」時期の鯛は「サクラ鯛」とも云い色合いも魚姿も最高の時期で一年で一番美味い時期でもある。味も魚姿も明石の鯛、鳴門の鯛が極上され、次いで日本海側太平洋側と言われている。私見では在るが、明石、鳴門は急流で身が締まりスリムな外見、荒波に揉まれた日本海がそれに次、比較的波の緩やかな太平洋側の鯛は前魚に比べ見た目にもスリムな感じに乏しくメタボな感がある。
荒波に揉まれる度合いの強い程尾鰭の後縁の切り込みの鋭角がするどく尾鰭の付け根の締り具合、尾鰭が大きい等を見れば身の引き締まりを判別する判断材料にもなる。「小股の切れ上がったいい女」との表現があるが、諸説あるようだが下半身がすらりと延び足首がキリリと引き締まった女こそ上品(ジョウボン)で旨いらしい。「小股の切れ上がったいい真鯛」とも言えそうだ。
そもそも鯛の旨みは筋肉の中のエネルギー(グリコーゲン)がアミノ酸類(イノシン酸、グルタミン酸、タウリン等)等に変わって旨み成分となる訳で急流、荒波に揉まれるほど筋肉量も増しイノシン酸量も増え旨みも増えるの三段論法がヒゲ爺の持論である。
イノシン酸には、代謝を促進させる機能、グルタミン酸には細胞の再生促進効果、タウリンにはコレステロール低下・肝機能向上効果などが期待できる。
太平洋側の徳島、和歌山、三重等の釣り師の方で異論はあろうが、これは飽くまで私見です。ご勘弁を!。
 閑話休題:
 「真鯛釣るなら船頭を釣れ」と良く言われるが、「鯛釣りの上手な船頭を探せ」との意味合いであろう。当初は、久美浜町、香住町、網野町、伊根町、等可也の釣り船に乗ったが気の合った船頭に巡り合えず漸く宮津港で鯛専門の気の合う今岡船頭に遭うまでに7年近く掛かった。宮津港の光洋丸の船頭で以来釣りに幕を閉じるまで光洋丸ばかりである。

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                宮 津 港 の 光 洋 丸
 現在のマンションに転居して釣り仲間が6人出来年に二回釣り大会を行った。
 
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      マンション仲間の釣り大会記念撮影 赤服が今岡船頭 ヒゲ爺はカメラマン

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                 ポン友 野河さん ハラミ鯛    06,5,4

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                 ポン友 野河さん 鯛とメジロ   06,11,9
 釣り友で丹後半島に通った一番弟子である。同じマンションに住み飲み友でもあり愉快な男である。

 ビギナースラックとは良く言ったもので、ある年の釣り会で、甥っ子の良寛君初めての船釣りで船酔いで半分近く寝ていながら竿頭になったことがある。

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      弟の長男 良寛(よしのり)70cmクラスを3枚も釣った 06,5,4

 「乗っ込み」期のヒゲ爺の釣果を2~3紹介する。
 
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               この日の釣果は同型ばかり21枚  2000,2,1
 船頭の話では;鯛は冬の極寒期には同型の鯛が集まるのでポイントが合い釣れると同じ大きさが揃うそうだ。
帰りの途中川西市に住む弟に数枚降ろし、釣り仲間に分けて家の残りがこの写真。一週間程鯛ばかり食い続けた記憶がある。

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                大釣りの釣果 40数枚    2006,4,4
 上の写真は釣り日は2月1日で腹が小さく、下の写真は「乗っ込み」の時期が近づき腹が膨らんでいる。産卵の為栄養補給の「荒食い」する時期である。
「乗っ込み」が終わると「夏の腐れ鯛」「麦藁鯛(中スカスカ)」と呼ばれる味の落ちる時期に入る。味の回復は9月に入ってからであろう。
 今岡船頭の釣り場は丹後半島経ヶ岬の沖「白石岩礁」近辺が得意らしく良く連れられた。鯛ばかりで無く魚種も豊富で思わぬ大物に出くわすこともある。

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               4kのメジロ     04,6,5
 メジロは出世魚で関東関西での呼び名が違う。
関東:ワカシ・ワカナゴ → イナダ → ワラサ → ブリ
関西:ワカナ・ツバス → ハマチ → メジロ(イナダ) → ブリ

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    釣り友  藤山さん  50cmオーバーの大鯵  05,9,20
 鯛釣り場では本命以外このような大物も上がる。他にメダイ、ヒラマサ等の大物も釣れる。
 釣りは楽しいものだ。「釣りは好きだが魚は余り食べないし後の始末にこまる」と言う釣り人が居るが以っての他である。貴方はその魚の命を奪ったのですよ!感謝しながら食べて魚を成仏させるのが「釣り師」の義務だと叫びたい気持ちである。ヒゲ爺は常々そう思っている。
「釣り師」は楽しむだけで無く釣上げた魚は生き〆をし氷で〆丁寧に扱い、自分で料理し命を戴いた事に感謝しつつ美味しく戴く、これが出来て初めて「釣り師」だと思う。次編でヒゲ爺の鯛料理を紹介する。

 小噺一つ;
 小料理屋の親父、常連客に
「いらっしゃいませ。桜鯛のいいのが入っています。」
 『うまそうだ。匂うがごとき 桜鯛だな。』
 「え?匂いますか。」
 お後が宜しい様で!
 







 
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