ヒゲ爺の独り言
エッセイ、昔の思い出話、釣り魚話、喰らい方等々
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ひげ爺の独り言 放談 小噺 『ヒゲ爺流 鯛料理』
『ヒゲ爺流 鯛料理』を報告します。料理本とは異なる表現が多々有ると思いますが飽くまでヒゲ爺流である、その点充分お含みおきの上ご覧下さい。
旨みの3要素はイノシン酸、グルタミン酸(昆布)、グアニル酸(干し椎茸)で魚類、肉類に含まれるのがイノシン酸である。
魚類の中でイノシン酸の要素を多く含むのが、「瞬発力の強い筋肉」を持つ白身魚の鯛、平目である。では、釣上げたばかりの新鮮な鯛を刺身にすると一番旨いかと言えばNOである。コリコリ感は有るが「鯛の旨み」観は些かもなく、山葵と醤油の味しかしないに違いない。
活きている鯛には「旨み成分のイノシン酸」は含まれていない。死後「瞬発力の強い筋肉」が熟成しするに従い筋肉の中のエネルギー(グリコーゲン)が旨み成分のアミノ酸類(イノシン酸)に変化し旨みに変わる訳である。ピークに達すると徐々に旨み成分は減少し腐敗に向かうと言う寸法である。
最高の旨さを引き出す為の『ヒゲ爺流 鯛料理』は釣上げた時から始まると言って良い。
① 釣上げた鯛は即「活き締め」をする。「活き締め」とは鯛の鰓の上側に包丁を入れ延髄を切断し尾鰭の付け根部にも包丁を入れ血を抜き、鮮度を保ち生臭さを防ぐ作業である。大物の場合にはもう一手間掛 け尾鰭の付け根から細い針金を脊髄に通し完全に神経を抜く作業を加える。
② クーラーボックスの底にスノコを敷き氷を置いて魚に氷が直接触れぬよう工夫して保存する。電気冷蔵庫には極力入れない(捌き後は別)。
以上が第一段階である。
諸説は有るが鯛の「旨み」が極まるのは、処理の方法にも因るが、15~6時間から1日半と言われている。こんな話を聞いた事がある;ある大阪の名物板前さんが、明石の鯛釣り専門の漁師に今夜使う鯛の注文は前日に行い、「活け越し」(半日ほど生簀で浮き袋の空気を抜いて泳がし腹を空にする為)し朝の3~5時の間に「活け締めと髄取り」を条件に注文したそうだ。その店では夜8時以降でないと鯛料理は提供されなかったそうである。なんと鯛を熟知した板前さんであろうか、頭が下がる。残念ながら釣り師には、「活け越し」は出来ない、至極残念。
旨みの極限に達した時を選んで自ら料理し美味しく食べられるのは「鯛釣り師」の特権であろう。
「鯛に捨てるところ無し」でヒゲ爺の為に命を呉れた鯛に感謝し、鱗、鰓と内臓以外は総て食べ尽くすのを常としている。
鯛と言えばまず刺身:
三枚おろしの仕方;
写真には無いが先ず、鱗落し乃至包丁で鱗を丹念に落とす。鯛の鱗は硬いので飛び散り易いので新聞紙等で囲いをすると後の掃除が簡単。大根で遣ると比較的飛び散らない。

頭の所から胸鰭に掛けて包丁を入れる腹鰭まで切る。

反対側も同じように切れ目を入れ頭(鯛の場合カブトと呼ぶ)を切り離す。

カブトが切りはなれた。

背びれに沿って包丁の道筋を付ける。

鯛の骨は硬いので反対の身に切り込む心配は無いので大胆に切り込んで良い。

三枚おろし完成。

腹骨をすきとる。

中骨を取り除くとサクが二枚出来る。一匹の鯛で四枚のサクが出来る。

サクができたら皮を下にして包丁を差し入れ

包丁を滑らせるように進め皮歯剥ぐ。

皮を剥いだサクの完成、この作業は良く切れる刺身包丁でやった方が良い、切れ味が悪いと皮が途中で切れたりする。

サクの背の部分、実に鮮やかな色合いである。活きの良いほど色合いも良い。後は薄造り、厚造りは好みの儘でOK。

鯛刺身の完成、後は感謝しつつ喰らうのみ。
★鯛の刺身を造ろうと思いの方は、「三枚おろし」が基本です。是非遣ってみてください。
最初は上手に出来なくとも大胆に遣って下さい、骨に身が残ったり、皮引きで身が付いても大丈夫、使い道は幾等でも有ります。「沖汁」「アラ炊き、煮」の編で説明する。
今回はこの辺でおしまい。
三枚下ろしの写真は(和歌山県湯浅 地魚朝どれ)のホームページより拝借しました。
次回は「三枚おろし」の残り物編。
旨みの3要素はイノシン酸、グルタミン酸(昆布)、グアニル酸(干し椎茸)で魚類、肉類に含まれるのがイノシン酸である。
魚類の中でイノシン酸の要素を多く含むのが、「瞬発力の強い筋肉」を持つ白身魚の鯛、平目である。では、釣上げたばかりの新鮮な鯛を刺身にすると一番旨いかと言えばNOである。コリコリ感は有るが「鯛の旨み」観は些かもなく、山葵と醤油の味しかしないに違いない。
活きている鯛には「旨み成分のイノシン酸」は含まれていない。死後「瞬発力の強い筋肉」が熟成しするに従い筋肉の中のエネルギー(グリコーゲン)が旨み成分のアミノ酸類(イノシン酸)に変化し旨みに変わる訳である。ピークに達すると徐々に旨み成分は減少し腐敗に向かうと言う寸法である。
最高の旨さを引き出す為の『ヒゲ爺流 鯛料理』は釣上げた時から始まると言って良い。
① 釣上げた鯛は即「活き締め」をする。「活き締め」とは鯛の鰓の上側に包丁を入れ延髄を切断し尾鰭の付け根部にも包丁を入れ血を抜き、鮮度を保ち生臭さを防ぐ作業である。大物の場合にはもう一手間掛 け尾鰭の付け根から細い針金を脊髄に通し完全に神経を抜く作業を加える。
② クーラーボックスの底にスノコを敷き氷を置いて魚に氷が直接触れぬよう工夫して保存する。電気冷蔵庫には極力入れない(捌き後は別)。
以上が第一段階である。
諸説は有るが鯛の「旨み」が極まるのは、処理の方法にも因るが、15~6時間から1日半と言われている。こんな話を聞いた事がある;ある大阪の名物板前さんが、明石の鯛釣り専門の漁師に今夜使う鯛の注文は前日に行い、「活け越し」(半日ほど生簀で浮き袋の空気を抜いて泳がし腹を空にする為)し朝の3~5時の間に「活け締めと髄取り」を条件に注文したそうだ。その店では夜8時以降でないと鯛料理は提供されなかったそうである。なんと鯛を熟知した板前さんであろうか、頭が下がる。残念ながら釣り師には、「活け越し」は出来ない、至極残念。
旨みの極限に達した時を選んで自ら料理し美味しく食べられるのは「鯛釣り師」の特権であろう。
「鯛に捨てるところ無し」でヒゲ爺の為に命を呉れた鯛に感謝し、鱗、鰓と内臓以外は総て食べ尽くすのを常としている。
鯛と言えばまず刺身:
三枚おろしの仕方;
写真には無いが先ず、鱗落し乃至包丁で鱗を丹念に落とす。鯛の鱗は硬いので飛び散り易いので新聞紙等で囲いをすると後の掃除が簡単。大根で遣ると比較的飛び散らない。

頭の所から胸鰭に掛けて包丁を入れる腹鰭まで切る。

反対側も同じように切れ目を入れ頭(鯛の場合カブトと呼ぶ)を切り離す。

カブトが切りはなれた。

背びれに沿って包丁の道筋を付ける。

鯛の骨は硬いので反対の身に切り込む心配は無いので大胆に切り込んで良い。

三枚おろし完成。

腹骨をすきとる。

中骨を取り除くとサクが二枚出来る。一匹の鯛で四枚のサクが出来る。

サクができたら皮を下にして包丁を差し入れ

包丁を滑らせるように進め皮歯剥ぐ。

皮を剥いだサクの完成、この作業は良く切れる刺身包丁でやった方が良い、切れ味が悪いと皮が途中で切れたりする。

サクの背の部分、実に鮮やかな色合いである。活きの良いほど色合いも良い。後は薄造り、厚造りは好みの儘でOK。

鯛刺身の完成、後は感謝しつつ喰らうのみ。
★鯛の刺身を造ろうと思いの方は、「三枚おろし」が基本です。是非遣ってみてください。
最初は上手に出来なくとも大胆に遣って下さい、骨に身が残ったり、皮引きで身が付いても大丈夫、使い道は幾等でも有ります。「沖汁」「アラ炊き、煮」の編で説明する。
今回はこの辺でおしまい。
三枚下ろしの写真は(和歌山県湯浅 地魚朝どれ)のホームページより拝借しました。
次回は「三枚おろし」の残り物編。
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