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ひげ爺の独り言  放談 小噺  『ヒゲ爺流 魚の話』

 『サバ鯖』
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                 スズキ目・サバ科のサバ属マサバ、
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                 スズキ目・サバ科のサバ属ゴママサバ
 サバの語源は「小歯(サハ)」歯が小さいことから「狭歯(サハ)」となり転じてサバと為ったが定説のようだ。他説ではサバの斑点から「斑葉魚」→イサハウオ「班葉」→イサバの意で上音のイが脱落しサバと転化した説も面白い。         
 日本近海で漁獲される鯖はマサバとゴマサバに大別される。マサバの方が数段旨い。市場ではノルウェー産が加わり三種が流通している。生の鯖は国内産で大型の塩鯖はノルウェー産と観て間違いあるまい。
日本近海のサバは春~初夏にかけて産卵し採餌しながら北上し北海道以南より南下する回遊魚で秋が脂の乗り切った「旬」であり九州地方では「寒サバ」が「旬」とされているが産卵前のサバも旨い。
太平洋側では北海道沖→八戸沖→三陸沖→常磐沖→銚子沖→伊豆沖と紀伊沖→室戸沖→九州と旬の時期が初秋~冬に掛け移っている様だ。
「サバを語らんとする者は、ともかくも若狭(福井県小浜地方)の春秋のさばの味を知らねば、さばを論じるわけにはいかない。春といっても、3月ものは未だチト尚早であるが、四月ものは脂の乗り塩梅が申し分なくたまらない」と魯山人も言っている。
 「旬の頃」には非常に旨い魚で栄養満点で特に「メタボ人」には必要不可欠な栄養素を多く含む魚ではあるが「鯛釣り人」には迷惑な魚でもある。本来群れる習性の魚の為「撒き餌」に集まる魚軍は半端でなく全部の針に食付きメッタヤタラに暴れ回るので「ハリス」を縺れさせ完全にオシャカにすることも間々ある。浅場の鯵釣りの場合など特に多い、「鯵はモゾモゾ鯖はグイグイ」と言い引き方で判断出来る。中々厄介な代物(青物)である。
『サバ鯖の喰らい方』
① 刺身:最高に旨いが色々難問がありクリアーしないと食べることは出来ない。
(イ)「サバの活き腐れ」の言葉通り足が速い(弱りが速い)、「活き締め」をして氷で鮮度を保ち一日が限度か?巻き網等で漁獲され「野締め」(血抜き処理をせずに死ぬのを待ったもの、自然死したもの)の魚は先ず無理。
(ロ)「アニサキス」の危険性。サバの寄生虫で内臓に寄生しサバが死ぬと身に入る込む性質があり鮮度が落ちると危険性も高まる訳である。「アニサキス」は加熱、冷凍で死滅するが、酢では死なないのでしめ鯖も危険性を含む、食する時は業者を信用するしか有るまい。
(ハ)アレルギー源となるヒスタミンを生じやすく、蕁麻疹の原因となることがある。
(ニ)寄生虫は南方海域を回遊する時寄生する事が多いと言われて居るので近海の根着きの鯖には居ないそうだ。それらの危険性を排除した高級ブランドの鯖が大分・佐賀関沖の豊後水道でとれた「関サバ」旬は10~3月頃、神奈川県三浦半島南端の松輪漁港「松輪の黄金サバ」漁期は6~11月頃まで。市場では普通の鯖の数倍の高値で売買されるそうだ。残念ながらヒゲ爺も食したことは無い。
② 味噌煮 ③ 塩焼き ④ 煮付け スーパー等で購入の鯖はこれ等をお勧めする。生食可とあっても努々刺身に挑戦等とすることなかれ! ⑤ 他に柿の葉すし、紀州の腐れすし、鯖すし、バッテラ(舟形すし、ポルトガル語で小船を意味するバッティラからバッテラになったそうである)等々はプロにお任せしましょう。
⑥ 子供の頃我がばあちゃんがよく造って呉れたのが鯖を一匹丸ごと焼き、現在も福井県の三方地上の「マサバの浜焼き」がある、当地では其の儘、身を解し調味するそうだが、我がばあちゃんは一工夫し「すき焼き風」に牛の替わりに焼き鯖を入れ「鯖の鋤焼き」と呼んで度々食べさせて呉れたものである。
今でも焼き鯖を見付けると「鯖スキ」をすることも屡である。ヒゲ爺は牛より「サバスキ」のほうが好きである。一度お試しあれ!一匹物が多すぎれば「煮魚」用切り身を買い「尺塩」をして焼けば良い。
塩サバ用は塩が多すぎる嫌いがあるので煮魚用を奨める、骨付きの方が味が良く出る。
『サバ鯖の栄養素』
 鯖は青魚(イワシ、アジ、サンマ等々)に多く含まれる脂質にはDHA(ドコサへキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などが豊富に含まれ、含有量は群を抜いて多い。
DHAは、脳や神経組織の発育や機能の維持に必要で記憶力の低下を抑えたり、目によいとされている。
EPAは、血液中の血小板凝集を抑制して血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きを持つと言われる。メタボ世代の人には欠かせない食材と言えよう。
また、血合い部分には多くの栄養素が集中しており、鉄分やビタミン群、タウリンが多く含まれ、貧血、皮膚炎、胃腸疾患などの予防、老化の抑制などの効果が期待できる。
『鯖に纏わる言葉』
① 鯖に活き腐れ:
 内蔵に含まれる各種の消化酵素類が強いためで死後早くにに分解されだし、ここに腐敗菌がつくとそれが急速に繁殖するため腐敗が進んでいる。見た目には「活きは良さそうでも腐っている事もあるから気を付けろ」の戒めの言葉。
②「秋サバは嫁に食わすな!」一見嫁イビリの様に聞こえるが秋サバは脂が濃く弱りも速いのであたる事もある、気を付けろ!位の意味合いに取った方が無難なようだ。同じ意味合いで「秋茄子は嫁に食わすな!」があるが茄子は身体を冷やすから身体に良くない気を付けろの意味合いにヒゲ爺は解釈している。
③ 「サバを読む」という言葉は、鯖が大量に捕れ、かつ鮮度低下が激しいため、漁師や魚屋が数もろくに数えず大急ぎで売りさばいたのが起源という説で数を誤魔化す事。
④ 鯖折り、相撲の技の一手で外側から相手の腰を両まわしか両手で引きつけて、上からのしかかるようにして相手の腰を下に押しつぶしてひざをつかせる技のことで魚釣りで「活き締め」の方法の一つに鰓を切り魚の頭部と尾部を持ち腰を折るようにして血抜きをする方法があるが、酷似している為その名が付いた。  昭和61年)5月場所8日目、当時関脇で大関昇進を目指していた小錦が、北尾との取り直しの末この技で敗れたが、その際両者のあわせて400kg以上の体重が小錦の右足の膝にのしかかり、耐え切れなかった右膝の骨が折れたために翌日から休場を余儀した。この怪我の為横綱に昇進出来なかったとも言われている。危険な技の為子供相撲では禁止されている。
⑤ サバ街道とは「ともかくも若狭(福井県小浜地方)の春秋のさばの味を知らねば、さばを論じるわけにはいかない」とまで魯山人に言わしめた福井県の若狭湾近海で獲れたサバを京都まで運んだ四つの街道、琵琶湖ルート、西近江路、小浜街道、周山街道のことを言う。獲りたてのサバに塩をまぶして夜通し京都まで運ぶとちょうど良い味になることから、運ぶ人達は「京は遠ても十八里」と唄いながら寝ずに歩き通したと言われている。
 島根県にもサバ街道が有る。日本海沿岸の七浦(七つの漁港)から津和野城下まで鮮魚を運んだルートである。寛永の初め、二代津和野藩主・亀井茲政の仰せによって開設されたものだそうだ。1620年代のことで以来、藩の手厚い保護のもと発展していったと伝えられる。「七浦めぐって魚がなけりゃ、銭金もって津和野にござれ」と謳われた程津和野には魚が豊富にあったそうだ。因みに津和野は森鴎外の故郷でもある。山間の町で武家屋敷跡など彼方此方に清流が流れ鯉が沢山飼われており清涼で綺麗な町並みであった様な記憶がある40年ほど前に行ったことが有る。
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                        森鴎外の旧宅
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                        津和野の鯉
 少し脱線し過ぎた様だがお許しあれ!
サバ街道は江戸期に入り開拓された(一)に小浜→京都(二)に七浦→津和野。(三)は平成に入り開拓された。さて何処か?
近年日本近海でサバの漁獲量が激減した為ノルウェー産の輸入量が急速に増え年間15~20万トンにまで達するそうである。第三サバ街道ははノルウエー→日本の空輸ルートである。
標準和名をタイセイヨウマサバと言い背側の模様が日本のマサバやゴマサバに比べて色が濃く鮮明で、浮き袋が無いのが特徴である。

     






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