ヒゲ爺の独り言
エッセイ、昔の思い出話、釣り魚話、喰らい方等々
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ひげ爺の独り言 放談 小噺 『山陰地方・番外編』 松葉ガニ
四国撮り歩記 霊場八十八ヶ所巡礼の旅:伊予愛媛編連載中ですが飛び入りさせて戴きます。ご容赦のほどを!!

一匹『30万円の松葉ガニ』
例年通り山陰地方の「松葉ガニ」漁が2014年11月6日解禁となり初セリでご祝儀相場でもあろうが何と一枚30万円でセリ落とされました!!(兵庫県新温泉町浜坂港)
この記事を見て、「松葉ガニ」は残念ながら今年も値が張りそうな予感ヒシヒシ。そこで「松葉ガニファン」の皆様に「松葉ガニ」の知識を充分に持って戴き、「カニ食い旅行・ツアー」の土産、贈答や自宅での夕餉を飾る料理等で満足のいく買い方が出来る様にと昨年ブログにUPした「松葉ガニの豆知識・雑学」を再登場させました。
今年のシーズンを満喫されることを祈ります!
但馬のいっちゃん『うんみゃあもん』は冬の『松葉ガニ』だっちゃ!」
「だーれがなんちゃあいったって 但馬のいっちゃん『うんみゃあもん』は冬の『松葉ガニ』だっちゃ!」と“おふじばあちゃん”がいっとりました。 ;和訳・「誰が何と言おうとも 但馬の一番『旨い物』は冬の『松葉ガニ』だよ!」と“おふじばあちゃん”が言っていました。
うんみゃあもん『松葉ガニの雑学(ばあちゃんの教えを含む)』をひげ爺流に捌き(サバキ・料理すること)報告します。
喰らう時、土産を買う時、贈答品を選ぶ時などの参考にして下さい。


「待ってました!」とばかりに解禁翌日の初セリを報道する各社朝刊。

今年の初セリ浜坂港で最高値¥250、000で落札された特大の「松葉ガニ」・¥200,000台が2枚有ったそうだ。

昨年の初セリで¥200,000で落札された「松葉ガニ」・
「松葉ガニ」;
松葉蟹とは:雄の大きな松葉ガニ、雌の親ガニ(セコガニ、セイコガニ、コウバコ)、若松葉ガニ(ミズガ二)に分類されている。先ずは松葉ガニから説明する。

松葉蟹(雄)・活きの姿


茹でた松葉ガニ

親ガニ(雌)・活きの姿
親ガニは地方名で呼ばれる。セコガニ・セイコガニ(但馬地方)・コウバコガニ・香箱(石川県地方)等々。

茹でたて親ガニ

① 外卵(ソトコ)

② 内卵(ウチコ)

③ 茹で親ガニの捌き済・後は喰らうだけ、ウチコ・ソトコは滅法うんみゃあ(旨い)。

若松葉ガニ(俗称;水ガニ・ズボガニ)活きの姿
見た目は綺麗だが本松葉ガニに比べ身肉は小さく水分量が多く味は落ちる。カニは脱皮して大きく成長する、(後述する)若松葉は脱皮後間もないカニで衣替え後のカニと思って下さい。脱皮には相当のエネルギーを使うので身肉も衰弱し水分も多く為るそうだ。然し安価であるのが嬉しいこと、同程度の本松葉の1~2割程度で喰らえるし味も充分行ける。
カニ食い旅行に行き土産屋で「きれい、大きい、安い」だけで本松葉と間違え飛び付かぬが肝要。承知の上で買われるように!本松葉を買えないひげ爺はこれを「狙い目」としている。

若松葉は写真の様に、甲羅に「カニミソ」が少ないので甲羅を除き足株のみ茹でガニとして販売される事が多い。
★ 「カニミソ」;中腸腺は内臓である。カニやエビなどの節足動物で食物の消化と栄養素の貯蔵に大きな役割を果たしている器官である。脊椎動物の肝臓と膵臓の機能をあわせ持つと言われ古くは「肝膵臓」とも呼ばれた。
?『松葉ガニ』って正式な和名では無いって本当ですか?
本当です!『松葉ガニ』とは日本海側山陰地方(島根、鳥取、兵庫、京都府)で獲れるズワイガニの地方名である。
ズワイガニは(楚蟹、津和井蟹、松葉蟹)十脚目ケセンガニ科(旧分類ではクモガニ科)に分類されるカニ。深海に生息する大型のカニで、重要な食用種でもある。日本海の冷水域、島根以北北海道、韓国、北朝鮮、ロシア、カナダ、アラスカ等広い海域に棲む大型のカニ。
「ズワイ」とは、細い木の枝のことを指す古語「楚(すわえ、すはえ)」が訛ったものとされている。漢字では「津和井蟹」とも書かれる。
① 松葉カニ⇒昔は山陰地方で獲れるズワイガニワイの総称として「松葉ガニ」と呼んでいたが最近は・・・
浜坂マツバ(水色)・隠岐マツバ(青)・鳥取マツバ(白地に赤)・津居山ガニ(青)・間人ガニ(緑)等々漁獲地の名前付けてよりブランド化を図っている向きもある。最近はカニに水揚げ港、○○丸と船名の入ったタグ(カッコ内はタグの色)を一匹毎に付けて固有の名前で売り出しているようだ。

② 越前ガニ→福井県越前地方で獲れるズワイガニの総称(黄色)である。
③ 上記以外で水揚げされたカニはズワイガニと呼んでいる。北海道ズワイガニ、ロシア産ズワイガニ、カナダ産ズワイガニ等々。(前述)
「松葉ガニ」の名前の由来:
しなやかに伸びた細長い脚の形から松葉をイメージしたから。
漁師が調理の際の燃料に松の葉を使ったから。
刺身を冷水につけると身が広がって松かさ(松ぼっくり)のようになるから。とか諸説あるが定説はない。

活き「松葉ガニ」を刺身にすると松ぼっくりに見えんでもないが・・・・?
「おふじばあちゃん節」足を内側に曲げた形が松葉に似ているから・・・・?

足が松葉似・・・・
等々諸説あるが定説はない。
「松葉ガニ」は図鑑等では「ズワイガニ」で紹介されているが「マツバガニ」は存在する。


「マツバガニ」・一見北海道の毛ガニに似ている。
十脚目イソオウギガニ科の甲殻類。甲幅15cmに達する大型のカニ。甲は四角形で,赤褐色。甲の前側縁付近,はさみ脚および歩脚に黒色の鋭いとげが多数ある。水深10~50mの岩場にすみ,イセエビ用の刺網にかかる。食用とされることもあるが,個体数は多くない。房総半島沿岸から沖縄までとオーストラリア南部から記録されている。
山陰の「松葉ガニ」とは全くの別種である。
『松葉ガニ』11月6日愈々解禁!!
解禁前夜のひげ爺の故郷「諸寄港」の出漁風景;




解禁日の前夜、「航海の安全祈願」と「大漁祈願」を祈る乗組員、関係者等に見送られ午後22時40分スタート、抽選により順次出港。22時50分に全船一縦列に沖へと向かった。初日は遠方の漁場に向かわず近場の漁場で初網を入れて明日は昼前に寄港予定。
初セリは13時より、浜坂港で始まる。例年この日だけは、全部浜坂市場でのセリになっている。
これも抽選でセリ順が決まっており、それに合わせて入港・荷揚げするそうだ。
荷揚げと選別:





セリ場風景:セリ場に各船毎に所有の大きな水槽で船から運び選別する。
活きているカニと活きていないカニの選別から始まり、重さ最高1.2㎏以上を①ランク、500g以上を⑧ランクとして、100g単位で区分。質は、各ランク毎に、「特上」「特一」「特二」など、且夫々に☆「やけ」「おち」などの区分。500g未満はブルーシートに並べる。

特上、特一のクラスはケースにカニの棲息域と同じ温度の海水(摂氏2度)を張り活きた儘競りに掛ける。ケースに青いホースが見えるのはエアーを送るホースである。鮮度を保ちブランド化を図っているという訳である。




「特上」「特一」「特二」等の活きガニは棲息域と同じ温度の海水(摂氏2度)を張り活かされている。
「松葉ガニ」の選別基準は各港毎に多少の差異はあるものの100種類以上に選別されるそうだ。
☆ 「やけ」「おち」とは:

「やけ」とはセコガ二(雌)が産卵可能に為ると脱皮を終えるので年齢を重ねると腹や脚の砂泥に接する部分が汚れた状態に為ったり赤茶け色になる、是を「やけ」と呼んでいる。「やけ」度合いが進んでいるほど親ガニに為ってから年月が経っていると言える。病気でも無い、見栄えは悪いが味も遜色無くヒゲ爺はこちらを選ぶ、何しろ安価で買える。若いセコの腹は白い。

「おち」とは脚の落ちた(無い)カニのこと。脚の無いカニは自然界で天敵に襲われ無くなった場合や網に掛かって脚が無くなった場合等が考えられる。水揚げされても漁獲規格に合わない小さなカニはリリースされるがその折脚が無くなるケースも多くあるそうだ。これも安く買える、「狙い目」である。
船からの荷揚げ、選別が終わり「松葉ガニ」の競りが始まる。




「松葉ガニ」競り風景・
「松葉ガニ漁」船上風景:
カニ漁期に入ると、但馬漁協、浜坂町漁協に所属する50数隻の沖合底びき網漁船(19~125t)が一斉に出漁し、京都府沖から山口県沖までの漁場で1航海あたり1~5日間操業します。
沖合底びき網では、松葉ガニのほかカレイ類、ハタハタ、ホタルイカなども獲る。
11月6日00時、日付が変わるのと同時に網を繰り出しいよいよ松葉ガニ漁の解禁。
翌6日正午頃殆どの船が帰港。港に接岸するなり松葉ガニを水揚げする、通常は3、4日の操業の後に水揚げとなるのですが、この松葉ガニ初航海だけはまさにとんぼ返り。
水揚げが完了すると船員の家族等に選別を託し再びまた日本海の沖合の漁場へと出発して行く。

網入れの準備完了・

イザ!網入れ・

網入れが終わると漁場の海底を下図の様に網を引き漁をする寸法である。

沖合底びき網漁・
ひげ爺の記憶にある子供時代には既に漁船にも動力エンジンが搭載されており通称「焼玉エンジン」と呼んでいた。始動時に「バア~ン」と大きな音がしたようだ。夕方に為ると港の方から盛んに「バア~ン」「バア~ン」と鳴り響き田舎の港風景の一コマとして記憶の片隅に残っている。
底引き船にエンジンが搭載されてからは現在の様に大掛かりでは無いにしろ現行の様に船で網を曳く漁法が確立していたと思われる。
「おふじばあちゃん」の話では;エンジンの無い時代は「帆と櫓」で操船する「てんぐり漁」で底引き漁をしていたそうである。
「てんぐり漁」とは;「てんぐり」は手繰りの転訛で網を手で手繰り寄せる漁法であろう。先ず地引網を想像して下さい、地引網は海岸の沖合に網を入れ、海岸で網の両端のロープを曳きながら網を狭め魚を漁獲網に追い込み漁獲する漁法である。


地引網漁・
「てんぐり漁」はこの地引網漁を海底の深い沖合で行う訳である。先ず「帆と櫓」沖に出て網を海底に沈め船を移動し錨を下ろし船を固定し人力で網を手繰り寄せ底物魚類を漁獲する寸法である。「松葉ガニ」も獲ったそうだから相当沖合にまで出たと想像できる。但馬地方の始まりは何時か不明であるが、若狭地方の古い文献に「てんぐり漁」は江戸初期には「ズワイガニ」を獲った記録も残っているとの事、大漁なので「米櫃漁」の異名も付けられたそうである。

網揚げ開始・


袋網(集魚網)揚げ完了・


カニと魚の仕分け・





ノギスで「松葉ガニ」の大きさを計る・船内カニの選別風景
浜坂港「松葉ガニ祭り」TV放送

11月16日(土曜日)兵庫県新温泉町浜坂港内「魚セリ場」で浜坂みなと「松葉ガニ祭」が開催される。

前日15日(金曜日)ABCテレビで松葉ガニ祭の概要を放映・明日の会場。

生簀の松葉ガニ・活きガニ料理用・


松葉ガニ(雄)と親ガニ(雌・セコガニ)・浜坂漁業組合長談;祭用に雄雌合わせて3000匹を用意した。松葉ガニの活きガニを¥3~5000で料理して召し上がって戴くとのこと。


平成17年より、浜坂観光協会は、カニのお持て成し最高のプロを目指し、カニ・ソムリエ制度を発足した。
カニに関する知識はもちろんのこと、接客、お酒、料理、歴史、文化など研修し、合格した人達ばかりです。


合格すると「認定証」が与えられ、カニソムリエの居る旅館、民宿には「ソムリエにいる宿」の額を掛けられる大きなメリットが有る。

活き松葉ガニを捌き刺身、しゃぶしゃぶ等の素材を造るソムリエ


松葉ガニの刺身・

松葉ガニのしゃぶしゃぶ・

カニのクリーム・コロッケ・
明日の祭会場では「松葉ガニ」捌き方・刺身・しゃぶしゃぶ・カニコロッケ・カニ汁等々の造り方を実演、販売するそうである。
「浜坂カニ祭」当日風景





「カニ汁」戴き~!ご馳走さま~!!
11月6日に漁が解禁されたズワイガニを味わう「浜坂みなとカニ祭り」(実行委員会主催)が同16日、新温泉町芦屋の浜坂漁港競り市場で開かれた。かに汁を先着2500人に無料で振る舞うほか、松葉ガニ(ズワイガニの雄)をはじめ海産物の即売コーナーが並ぶ。午前9時から午後1時半まで。
同漁港に水揚げされたカニをふんだんに使ったカニクリームコロッケ、セコガニのみそ煮込みを限定販売。食事コーナーでは、カニ料理のエキスパート「かにソムリエ」が目の前でカニをさばき、焼きがにやかにしゃぶなどを提供した。カニ釣りコーナーなどのイベントも行われ大いに賑わった。
関西、京都方面からの来訪者も多く人口16、000人の新温泉町に倍以上の35,000人の観光客が集まったそうである。
イベント情報


「親ガニ(雌・セコガニ)釣りコーナ~」大賑わい。

「カニコロッケ具材造り」・かにソムリエの女性達のセコガニの身肉取り。

「カニコロッケ具材」の出来上がり。

「カニコロッケ」召し上がれ! 一個¥300也。


カニソムリエによる「活き松葉ガニ捌き・調理」コ~ナ~。カニ捌きの実技、顧客の持ち込みのカニを即座にお好みの料理にして食べさせてくれる。

「活きガニ刺身」


「カニ鋤」具材の出来上がり。焼きガニも旨い。
セコガニの味噌汁
ひげ爺流の造り方(我が家の場合)・
① セコガニ 2枚
② 大根 適量
③ 味噌 適量(家庭の味に合わせる)
④ 刻み葱 少々
先ずセコガニを綺麗に洗う・下図写真の様にセコガニを捌く。

腹子(ふんどし)を剥がす(反対に折ると簡単に取れる)・両脚を持ち内側に折ると甲羅から脚部が取れる。写真の様に3部位に解体。
「かには食ってもガニ食うな!」と云われる「ガニ」の図。

「ガニ」は必ず取り除く事。
カニは魚と同じくエラ(鰓)呼吸する、「ガニ」はカニの鰓で食べられないと思って下さい。下痢する事があるそうだ。「魚の鮮度は鰓を見よ!」と良く言われるがカニも同じ、黒く為ったり匂いのする物は古い証拠である。


茹でたカニでも「ガニ」は必ず廃棄すること。
我が家ではカニ以外の具材は大根が主、短冊切り、半月切りが味が浸みやすく多用、大根が旨い。煮立ちの時間差があるので予め大根を湯通しておく。
解体したセコガニと大根が浸る程度に水を入れ煮立てる。レシピ等見ると沸騰してから具材を入れる様だがひげ爺流は飽く迄水からが原則。
沸騰したら灰汁を取り味噌を溶き入れ沸騰させないよう中火に落とし7~10分程度(大根の煮え程度を計り)火を消す。

セコガニのカニ汁の出来上がり・きざみ葱・みつ葉など散らすもまた良し。
素人にも解る美味しいカニの見分け方
【見た目・身のつまり具合と重さ】
① カニの色
茹でたカニは赤っぽく染まっている。鮮度のいいカニほど鮮やかな赤色でさらにツヤがある。色艶がよくないカニは、鮮度が落ちている可能性が高い。表面が乾燥しすぎは禁物、古い・美味しくない(瑞々しさを欠く)ので避ける。商品が多くある店頭では見比べが肝要。
② 甲羅の状態
甲羅が乾いているものは、古いか茹で方が下手で茹で過ぎの可能性がある。茹で過ぎると味が塩辛くなり、瑞々しさを欠く。瑞々しさは“茹でガニの命”である。カニビルの卵の沢山付いているカニほど上物で旨い(理由は後述)。
③ 重さ
値段、大きさが同じであれば、手で持ってみて見た目よりもずっしりとした重量感を感じられるカニを選ぶこと、身肉も締りミソもたっぷり詰まっている証拠。
④ お腹の色
カニの腹を見ると新鮮か旨いかどうか一目瞭然。きちんと茹で上がっているカニは腹がクリームがかった白っぽい黄色ですが、茹で方があまい場合や古い場合はカニミソのアブラ分が身肉に回って黒っぽくなる。
⑤ 匂い
カニのお腹の匂いを嗅いでみてください。新鮮なカニはほんのりとカニの良い匂いがします。あまりカニ臭くはありません。鮮度が悪いカニは腐敗臭のような嫌な匂いがする。
⑥ 甲羅の堅さ
カニは脱皮を繰り返しながら成長する。通常、カニの甲羅は固いが、脱皮した直後は甲羅も脚も柔らかい状態である。甲羅の成長にエネルギーを取られるので、身も同時に痩せてしまって美味しくありません。カニの脚を指でつまんで柔らかい場合は購入は控えたほうが良い。甲羅が硬くカニビルの卵が沢山着いているカニを選ぶこと。
セコガニ(雌ガニ)は10~11回目(齢期)の脱皮で産卵可能の親ガニになる、以後は脱皮しない。松葉ガニ(雄ガニ)は13齢期で脱皮を終え以後脱皮は無い。脱皮を繰り返す間はカニビルの卵が着けられても脱皮に因って無くなるが脱皮の最終齢期を過ぎたカニの甲羅にはカニビルの卵が蓄積されるので多い位ほど成長度が高く身肉がしっかり着いた上質のカニと評価される訳である。


甲羅が硬く・カニビルの卵が多く付着・腹の白いカニを選ぶがベストである。
「一に松葉、二に越前、三四がなくて五にズワイガニと言われる程見た目にも味にも差が有る」との事。
何故一が松葉か?
中国山脈の最高峰大山が5万年前と2万年前に大噴火した際に大量の火山灰や軽石を噴出した。その火山灰は偏西風に乗り隠岐の島周辺から兵庫県但馬地方の海に堆積しカニの生育に適した土壌と為り漁場を造ったのが大きな要因であると云われている。
① 海底が堆積土で餌となるヒトデ類、ゴカイ,ひる類等が繁殖し易く餌が豊富である。
② 火山灰の堆積土なのでカニに傷が付きにくく甲羅焼けをしにくい。石や岩が多くなるとカニの甲羅、脚等が傷つき易くなるので防御の為甲羅や脚のトゲが発達し大きくなる。目の肥えたプロは肌の艶、滑らかさ等参考にして山陰産、越前産、北海道産、輸入物の区別が付くそうである。山陰産が一番肌が綺麗である。
③ 栄養豊富な土で味が良くなる。
④ カニビルがの卵が付いたものが多いい程カニが硬く身の詰まりが良い。カニビルが着いているカニは最終脱皮を終え完全に成長した大人に為ったカニである。(カニの成長を参考に)
⑤ 腹部が白又は青白いものが多く見た目も美しい。
⑥ 沈潜が多くカニの棲みやすい環境がある。

② 腹やけも無い綺麗な松葉ガニ

② 生育場所に石や岩礁が多い漁場で育ったズワイガニ・カニビルの卵は無い。肌が粗く艶に欠ける。

⑤ 腹やけのセコガニと綺麗なセコガニ
マツバカニどの様に大きくなるか?(カニの成長)
セコガニ(メスガニ)は1尾のメスガニから約5~60,000尾程の幼生を孵化させます。孵化したばかりのズワイガニの子供は、最初から海底で生活するのではなく、プランクトンのように海中を浮遊して過ごす。この時期のカニを「浮遊期幼生」という。
孵化したばかりの幼生を;
① プレゾエア(1mm)⇒一時間後には脱皮し ② ゾエア(3mm)1期を経て⇒一ヵ月後再び脱皮し ③ ゾエア2期となる⇒一ヵ月後再び脱皮し⇒ ④ メガロッパとなる。ゾエア→4回の脱皮を経てメガロパ→その後1回脱皮して稚ガニへ変態 する。



ゾエア写真・「海水浴皮膚炎」ともいわれる皮膚炎の原因となる事もある。 ★「註」(詳しくは後述)


メガロッパ写真・カニらしく為った。

カニに関係無いがメガロッパ酷似の“古川ロッパ”
①~④が「浮遊期幼生」でメガロッパ時期を3~5ヶ月過し再び脱皮し漸く稚蟹として海底で生活する様になる。その間はより小さなプランクトンを餌にして成長する。
その後、稚ガニは脱皮を繰り返しながら、大きくなっていく訳である。甲幅が5cm未満の頃までは、1年に数回の脱皮を行うが5cm以上になると、1年に1回しか脱皮しない。5cm以上のオスガニの脱皮の時期は、およそ9~10月頃です。
メスガニは、稚ガニから10回の脱皮を繰り返し、「第11齢期」(脱皮の回数)になると産卵を行うようになり、いわゆる「親ガニ」となります。「親ガニ」になると、それ以降は脱皮を行わなくなります。このように、生涯の最後の脱皮を「最終脱皮」と呼んでいる。
オスガニが「親ガニ」となる大きさは早いものは「第10齢期」(甲羅幅7cm前後)、遅いものは「第13齢期」(甲幅13cm以上)とかなりの個体差が認められるのが特徴である。
オスガニの親ガニとは交尾が可能となったオスガニのことであり、オスの漁獲制限は甲羅幅9cmなので10齢期で親二ガになったオスガニはそれ以上大きく為らないから漁獲の対象に為らない訳である。
オスガニの「最終脱皮」は「第13齢期」であり成長を止める。
最終脱皮を終えた大きな松葉ガニには写真の様にカニビルの卵が沢山付着している。脱皮中にも卵は産み付けられるが甲羅の総てを脱ぎ捨てる訳だから過去の卵は無くなる訳である。脱皮した甲羅はカニの最良の餌と為る。


カニ蛭の卵とカニ蛭
最終脱皮を終えた松葉ガニには写真の様に黒い斑点様の卵が付いているものが多い、見た目には良くないがカニ蛭の卵はカニの勲章とも言える。多い程最終脱皮から時を経ているという訳である。
カニにも人間にも些かも悪い影響を及ぼす物ではない。
良い松葉ガニを選ぶには重さ、甲羅足等の硬い物、カニ蛭の卵の多いカニを選ぶ事を推奨する。
カニの脱皮;



カニの脱皮・甲羅はサラッピン!(但馬地方の方言;新しい品・新品の事、まっさら、真っ新)。脱皮前のカニビルの卵はこの様に無くなる訳。
★「註」海水浴皮膚炎 -チンクイにやられた!-
海水浴やダイビング、サーフィンなどの途中に体の一部がチクチクしたり、海からあがったあとに、ウェットスーツや水着の中がかゆくなったり、小さな赤いぶつぶつなどかゆみのある発疹が出来る事がある。
クラゲのように「チクッ」と刺されたという自覚がないことが多く、いつのまにか違和感がしたりかゆみが出てくる症状である。
浅場に棲むエビ、カニ類の産卵期である春~夏、海水浴シーズンに多く産卵直後の「ゾエア」との接触が原因。甲殻類の幼虫は、鋭い棘を持ち、皮膚に刺さると機械的な刺激で皮膚炎を起こす。浮遊中のゾエアが直接肌に刺さる事はないが水着等に多く付着し布と皮膚の間に入り皮膚に刺さる寸法である。
何故「チンクイにやられた!」か?「チンクイ」とは何か?別にチンクイと云う生物がいる訳ではない。近年はパンツ型水着で海水浴をするがひげ爺の子供の頃は越中ふんどし、六尺ふんどし(褌)一本で泳いだものだ。
チンクイのチンは、ちんぽ、ちんぽこの事であり、浮遊中のゾエアがふんどし一本に集中し、ちんぽの周辺に皮膚炎が多く発症したのでチンを食う虫と意味合いで「チンクイ」と呼ばれたそうである。
昨今は褌より小さなビキニ姿の若い娘が「チンクイ」の狙い目かもしれませんな~・・・・。
水ガニ(若松葉)とは;
雄ガニは夏を終えた9~10月頃に脱皮し「サラッピン」オスガニが誕生する。成長途上にある翌年の1月20日~2月28日に漁獲解禁となるがあくまで甲羅9cm以上を厳守している。

大きくて綺麗な松葉ガニであるが身の入りは松葉の50%程度で水分量も多く、甘さは落ちるが身離れが良く食べ易く中々旨い。このカニを「ミズガニとか若松葉ガニ」と呼んでいる。一番の魅力は価格が安い、松葉ガニの10分の1~2割程度買える。

但しカニ味噌は未発達で少量しか無く余り旨くない。大部分が加工品に使用される。


水分が多いいので甲羅から両足を外し茹でて販売している。但し1月20日以降である。その日以前の物は若松葉ではなく輸入カニの可能性が高い。カナダ産ロシア産等の多くはこの型で生のまま冷凍し販売されている。勿論茹でた物もある。


輸入物(ロシア・カナダ産)は生の冷凍、茹でた冷凍で販売される事が多い。解凍して若松葉ガニの様に茹でて販売されるが、冷凍すると水分が失われるので若松葉に比べ瑞々しさに欠け身離れも悪い故若松葉と混同しないが肝要である。脚の硬さ、艶とざらざら感で区別判断をされたい!。茹でガニの再茹では禁物!絶対にしてはいけません!味が落ちますよ!如何しても温かいのが・・・との御仁には、心ならずもではあるが“蒸す”ことを勧める。
カニの茹で方; ① セコガニの場合;


① 活きたセコガニ(親ガニ)をいきなり湯の中へ入れると、脚が取れてしまうので、たっぷりの真水の中へ動かなくなるまで浸けておく。(約30分程度)
② セコガニ(親ガニ)をタワシ等で水洗いして汚れを落とします。
③ 鍋にセコガニ(親ガニ)全体が浸かる程度の塩水(約3~7%)を入れ、沸騰させる。
(塩加減はお好みで調節してください。)
④ 塩水が沸騰したらセコガニ(親ガニ)の腹を上にして鍋へ入れ(甲羅が下)、蓋をして再沸騰させます。

⑤ 再沸騰したら蓋を取り、吹きこぼれに注意しながら火を弱め13〜20分程度茹でる。カニの枚数、湯量により適宜調節されたい。
セコガニ(親ガニ)が茹で上がったらザルなどに上げ短時間流水で冷やす、身肉を引き締める為である。溜めた水は禁物、水っぽく為る。流水をかける前にアツアツを食べるのも最高に旨い。


茹で上がりのセコガニ・捌いたセコ;いざ!喰らわんかな!!
注意:決して茹でた蟹を茹で直ししない。蟹の風味が極端に悪くなってしまう。
保存方法
冷蔵庫に入れる場合は十分に冷めてから入れること。冷蔵庫で保存すれば3~4日位は日持ちするが、日を重ねるにつれて蟹の水分が旨味とともに蒸発もしくは流れ出してしてしまい風味が損なわれてしまう。成るべくお早めにお召し上がり下さい。
ひげ爺の場合は冷蔵庫に入れず釣用クーラーに保冷剤を入れ、やんわりと冷やすを常としている。乾燥を防ぐ為ビニールで包む場合もある(若松葉の場合)。ひげ爺宅ではとても3~4日まで残りませ~ん!一日二日でたいらげて仕舞いま~す!
『松葉ガニ』購入に失敗しない方法;
「彼を知り己を知れば百戦危うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない)の言葉が『孫子・謀攻』にあるが「失敗せぬ為」に『松葉ガニ』の基礎知識を再度記してみた。
【ズワイガニの種類】
★ ズワイガニは大きく分けて3種目に分類される。
1種目は「ズワイガニ」で学名「オピリオ種(ずわい蟹)」:山陰の「松葉ガニ」・越前の「越前ガニ」はこの種に当たり、体色は茹でると、ややオレンジ色になり身肉はやや柔らかめで甘くジュウシー・・・!
2種目は「大ズワイガニ」で学名「バルダイ種(大ずわい蟹)」:名の通りオリビオ種より大きく成る。体色は茹でると赤色が強い。味はオリビオ種に比べやや甘み、ジュウシーさで劣り身肉は固めである。
3種目は「紅ズワイガニ」:前両者に比べ、ズワイガニよりも水深の深い場所に生息するといわれ、足、胴の腹面含め全体に暗褐色で、加熱すると全体が鮮やかな紅色になる。オピリオ・バルダイに比して殻が幾分柔らかく薄い。前者に比べ身肉が少なめで甘み、ジュウシーさで数段劣る。比較的安いので「松葉ガニ」と間違えて買わぬが肝要。駅弁「蟹ずし」・缶詰の材料にも多用される。

1種目:「松葉ガニ」・「越前ガニ」共に雄ガニ。


雌ガニ:地方により呼び名が異なる。曰く「親ガニ」「セコガニ・セイコガニ(せこ(背子))」・但馬地方、「コオバコガニ」「香箱ガニ」・越前地方。

2種目目:「松葉ガニ」よりも大きくなるが甲羅は硬く肌理が粗くゴツイ感じ。脚が松葉ガニに比べ若干太短いのが特徴と云える。ベーリング海、アラスカ沿岸域や北海道に棲息するが日本海には棲息しない。オスだけが漁獲の対象となっており、メスの漁獲は禁止。ロシア、アラスカなどから輸入されている。

「松葉ガニ」と「輸入ガニ」の比較:①生産地(漁獲港・船名)のタグが付いている。②「カニビルの卵」の有る無。③足の長さと太さが違う。

3種目目:ズワイガニよりも体色が赤みを帯びている。甲羅の後縁部の傾斜が、ズワイガニやオオズワイガニよりも急なのが特徴、日本海の水深500~2,000mの海底に棲息。山陰や北陸地方では、「かご縄」という漁法で獲られている。オスだけが漁獲の対象となっており、メスの漁獲は禁止。

茹でた紅ズワイガニ・

「かご縄漁・かご網漁」:「底引き網漁」の出来ない深場や岩礁の多い漁場で行われる事が多い。
ズワイガニとオオズワイガニの簡単な見分け方は:
ズワイガニとオオズワイガニとは、一目見ただけで区別するのは難しいが、ある部分を良く見れば、実は容易に識別することが出来ます。
それは、両眼の間の口に近い部分のかたちで、ズワイガニは水平、オオズワイガニはM型になっている。また、両眼の間の二股になったトゲが、ズワイガニは水平に伸びており、オオズワイガニはやや上方に反っている。大きくはこの2点で識別ができる筈である。「松葉ガニ」と輸入ガニの比較写真など参考にして下さい。

両眼の間の口に近い部分:松葉ガニは水平。

両眼の間の口に近い部分:大ズワイガニはM型。

両眼の間の二股になったトゲ:松葉ガニは水平。オオズワイガニは上方に反る

両眼の間の二股になったトゲ:大ズワイガニは上方に反る。

甲羅の違い;松葉ガニ(上)・大ズワイガニ・・・どちらが旨そう?
松葉かにの選別方法:
約100種類以上にも選別される内容の紹介(各漁港毎に多少の選別差がある)
「松葉ガニ」はまず大きさでランクわけされ、大中小と区別された蟹を更に、身詰まり状態、足落ち、傷のあるなし、ヤケ等で細かくランク分けされています。
品 名 平均甲羅幅 説 明
1番ガニ 15cm以上・・・1日に10枚程度しか揚がらない上物。
2番ガニ 14.9cm
3番ガニ 14cm ・・・・1番ガニより少し小さめの上物。
4番ガニ 13.9cm
5番ガニ 13.5cm・・・ 人気の上物買い頃サイズ。
6番ガニ 13.4cm
7番ガニ 13cm・・・・・上物の中ぐらいのサイズ。
より大 12cm・・・・・上物で小さいサイズ。
より小 11cm・・・・・ホテル・旅館の料理に出ているサイズ。
箱大 10cm・・・・・民宿の料理で出ている上物で小さいカニ。
上水 14cm・・・・・上物より少し軟らかめ。刺身に良く使われる。(1~3番ガニより安価)
中水 13cm・・・・・少し軟らかめですが、刺身に人気があり。 (4~6番ガニより安価)
下水 12cm~14cm・ 軟らかめですが、活ガニで売られている。(可也安価)
以上の選別方は漁協のカニ競り市場とカニ業者との取り決めであり我々素人では此処まで知る必要は無いと思われるが一応参考までに・・・・。
大きめのモノほど、味・食べ応えもあり、見た目もよく商品価値も高くなります。甲羅幅1cmの違いは思っている以上に見た目に違いが出ます。
セコガニも大・中・小・少々・身詰まり状態、足落ち、傷のあるなし、ヤケ等で細かくランク分けされて価格が設定される。雌ガニで11月6日~翌年1月10日まで獲れます。甲羅の中の内子や外子(前出)は究極の珍味です。
現地(漁獲港市場等)で初めて購入の場合:
江戸の昔、吉原遊郭の習わしに、初めて行くのを【初会】と言い2回目を【裏】二回目に同じ遊女に会うことを「裏」といった。これを「裏を返す」ともいう。【馴染み】三回目に通うと漸く【馴染み】の客と呼ばれるように為るそうだ。馴染み客に為れば「お・も・て・な・し」が全く違うほど良くなったそうである。
忘年会やカニ食い旅行で山陰地方に行き、昨夜の「松葉ガニ」に魅せられて「松葉ガニ」を土産にと、適当な魚屋に飛び込むとそれは 【初会】でしか無い。そこで一工夫・昨夜の旅館、民宿の主人、おかみさんに「カニを土産にしたいが親切な良い店を紹介して欲しい」旨を述べ紹介して貰うことが肝要である。必ず親しい店を知っている筈である。紹介の店で◎◎旅館、民宿の主人の紹介で来店した旨を告げれば(必須ですぞ!)、一見の客【初会】に対する扱いではなく【裏】も通り越し【馴染み】客に近い扱いをしてくれるに違いないと確信する。
食べたい料理法(刺身、茹でガニ、焼きガニ、カニ鋤・鍋等々)と予算の何某かを言えばそれに見合ったカニを選んで呉れる筈である。持ち帰りする事も出来るが、今後も「カニ」を求める積りがあれば、自宅に宅配便で送って貰うのも良策である。着荷したらお礼のハガキ一枚も送れば「貴方はもう馴染み客」、顧客名簿に記載される【馴染み】さんに為るに違いなし、その後は電話一本で思いのカニを買えること疑い無しである・・・・・。
インターネットやチラシ広告で初めて購入する場合:
インターネットを開くと「松葉ガニ」の最盛期の所為か広告が乱立の状態である。初めての場合どの店を選んで良いのか迷われるに相違ない。値段だけで買うのは些か危険だと思いましょう。あまりにも激安過ぎるのは、どうかと思いますよ・・・!広告と違う商品が送られて来たと云う話をよく聞きますが充分気を付けて下さい!
ひげ爺のお勧めは;都会に本社を持つ大きな会社はネットで注文を取り産地に発送を依頼するそうだから注文主の貴方からは誰の顔も見えませんし業者が二者に為る事で当然割高に為っている筈です。顔が見えねば到底【馴染み客】に為る事は出来ない相談である。
カニ・魚好きの貴方が【馴染の店】を創りたいとお考えなら産地の「魚屋さん」を選ばれるべきである。
前述した様に旅館、民宿の主人を観光協会、漁業組合等に置き換えて【初会】【裏】【馴染の客】の道を辿って下さい。山陰の人達は善人が多いから頼めば親切に教えて呉れる筈である。必ず◎◎観光協会から紹介された旨を「店の方」に話す事が必要です。
参考までに「松葉ガニ」の代表的な産地の観光協会の所在を記載しておきます。
★ 但馬地区;
① 浜坂観光協会
兵庫県美方郡新温泉町芦屋853-1
電話:0796-82-4580
② 香住観光協会
〒669-6546
兵庫県美方郡香美町香住区七日市1-1
TEL :0796-36-1234 FAX :0796-36-3388
③ 豊岡港観光協会 (津居山港)
兵庫県豊岡市瀬戸1番地
TEL:0796-28-3244 / FAX:0796-20-1103
★ 丹後地区;
④ 京丹後市観光協会
〒629-3101 京丹後市網野町下岡(KTR網野駅構内)
TEL: 0772-62-6300 / FAX: 0772-72-0822
★ 鳥取地区;
⑤ 賀露みなと観光協会
鳥取県鳥取市賀露町北
TEL 0857-28-1004
⑥ 網代・田後
鳥取県漁業協同組合
網代港支所
〒680-0073
鳥取県岩美郡岩美町大谷
TEL (0857)72-0481
FAX (0857)72-0052
ひげ爺流「カニ注文」;
ひげ爺の産地は但馬の諸寄・「松葉ガニ」漁の盛んな漁港なので何十年来の「お馴染みの店」がある。従って注文の仕方は至って簡単。下記の様にメールを送り知り合いのMさんに「メール送付、宜しく頼む」と電話を一本掛けるだけである。安心してお任せしている。
因みにその店は;浜坂港にある「マル海 渡辺水産」と云い、旨い「海鮮料理」も食べられる、盆の帰省時には必ず立ち寄っている。
★ 注文メール;
① 贈答用 12/22日午前中必着
送り先; 〒579-0000
◎◎市日下町0-0-0
◎◎ 良兵衛 様
℡ 072-988-0000
☆ 松葉ガニ (一枚) ◎万円 相当 (ゆで松葉ガニ)
セコガニ (二枚) 時価相当 (ゆでガニ)
② 拙宅用;
☆ 活きセコ・・・指落ち、やけで結構 送料込みで◎千円
③ 送り先; 〒270-0000
千葉県◎◎市内野0-0-0
℡ 0476-46-0000
☆ 活きセコ・・・・指落ち結構 送料込みで◎千円
以上注文いたします。支払は①②③合計を拙宅用送付時に一括請求して下さい。
正月用は改めて注文します。
ひげ爺 良兵衛 拝
★ メール返信あり(12/17);今日4隻入港、注文の活きセコ用意出来た。明午前中着で発送するとの事。明日は旨い「セコのカニ汁」を堪能出来そうである。
年末年始に満足のいく「買い物」が出来ますように・・・・・!!
「松葉ガニ編 完」

一匹『30万円の松葉ガニ』
例年通り山陰地方の「松葉ガニ」漁が2014年11月6日解禁となり初セリでご祝儀相場でもあろうが何と一枚30万円でセリ落とされました!!(兵庫県新温泉町浜坂港)
この記事を見て、「松葉ガニ」は残念ながら今年も値が張りそうな予感ヒシヒシ。そこで「松葉ガニファン」の皆様に「松葉ガニ」の知識を充分に持って戴き、「カニ食い旅行・ツアー」の土産、贈答や自宅での夕餉を飾る料理等で満足のいく買い方が出来る様にと昨年ブログにUPした「松葉ガニの豆知識・雑学」を再登場させました。
今年のシーズンを満喫されることを祈ります!
但馬のいっちゃん『うんみゃあもん』は冬の『松葉ガニ』だっちゃ!」
「だーれがなんちゃあいったって 但馬のいっちゃん『うんみゃあもん』は冬の『松葉ガニ』だっちゃ!」と“おふじばあちゃん”がいっとりました。 ;和訳・「誰が何と言おうとも 但馬の一番『旨い物』は冬の『松葉ガニ』だよ!」と“おふじばあちゃん”が言っていました。
うんみゃあもん『松葉ガニの雑学(ばあちゃんの教えを含む)』をひげ爺流に捌き(サバキ・料理すること)報告します。
喰らう時、土産を買う時、贈答品を選ぶ時などの参考にして下さい。


「待ってました!」とばかりに解禁翌日の初セリを報道する各社朝刊。

今年の初セリ浜坂港で最高値¥250、000で落札された特大の「松葉ガニ」・¥200,000台が2枚有ったそうだ。

昨年の初セリで¥200,000で落札された「松葉ガニ」・
「松葉ガニ」;
松葉蟹とは:雄の大きな松葉ガニ、雌の親ガニ(セコガニ、セイコガニ、コウバコ)、若松葉ガニ(ミズガ二)に分類されている。先ずは松葉ガニから説明する。


松葉蟹(雄)・活きの姿


茹でた松葉ガニ

親ガニ(雌)・活きの姿
親ガニは地方名で呼ばれる。セコガニ・セイコガニ(但馬地方)・コウバコガニ・香箱(石川県地方)等々。

茹でたて親ガニ

① 外卵(ソトコ)

② 内卵(ウチコ)

③ 茹で親ガニの捌き済・後は喰らうだけ、ウチコ・ソトコは滅法うんみゃあ(旨い)。

若松葉ガニ(俗称;水ガニ・ズボガニ)活きの姿
見た目は綺麗だが本松葉ガニに比べ身肉は小さく水分量が多く味は落ちる。カニは脱皮して大きく成長する、(後述する)若松葉は脱皮後間もないカニで衣替え後のカニと思って下さい。脱皮には相当のエネルギーを使うので身肉も衰弱し水分も多く為るそうだ。然し安価であるのが嬉しいこと、同程度の本松葉の1~2割程度で喰らえるし味も充分行ける。
カニ食い旅行に行き土産屋で「きれい、大きい、安い」だけで本松葉と間違え飛び付かぬが肝要。承知の上で買われるように!本松葉を買えないひげ爺はこれを「狙い目」としている。

若松葉は写真の様に、甲羅に「カニミソ」が少ないので甲羅を除き足株のみ茹でガニとして販売される事が多い。
★ 「カニミソ」;中腸腺は内臓である。カニやエビなどの節足動物で食物の消化と栄養素の貯蔵に大きな役割を果たしている器官である。脊椎動物の肝臓と膵臓の機能をあわせ持つと言われ古くは「肝膵臓」とも呼ばれた。
?『松葉ガニ』って正式な和名では無いって本当ですか?
本当です!『松葉ガニ』とは日本海側山陰地方(島根、鳥取、兵庫、京都府)で獲れるズワイガニの地方名である。
ズワイガニは(楚蟹、津和井蟹、松葉蟹)十脚目ケセンガニ科(旧分類ではクモガニ科)に分類されるカニ。深海に生息する大型のカニで、重要な食用種でもある。日本海の冷水域、島根以北北海道、韓国、北朝鮮、ロシア、カナダ、アラスカ等広い海域に棲む大型のカニ。
「ズワイ」とは、細い木の枝のことを指す古語「楚(すわえ、すはえ)」が訛ったものとされている。漢字では「津和井蟹」とも書かれる。
① 松葉カニ⇒昔は山陰地方で獲れるズワイガニワイの総称として「松葉ガニ」と呼んでいたが最近は・・・
浜坂マツバ(水色)・隠岐マツバ(青)・鳥取マツバ(白地に赤)・津居山ガニ(青)・間人ガニ(緑)等々漁獲地の名前付けてよりブランド化を図っている向きもある。最近はカニに水揚げ港、○○丸と船名の入ったタグ(カッコ内はタグの色)を一匹毎に付けて固有の名前で売り出しているようだ。

② 越前ガニ→福井県越前地方で獲れるズワイガニの総称(黄色)である。
③ 上記以外で水揚げされたカニはズワイガニと呼んでいる。北海道ズワイガニ、ロシア産ズワイガニ、カナダ産ズワイガニ等々。(前述)
「松葉ガニ」の名前の由来:
しなやかに伸びた細長い脚の形から松葉をイメージしたから。
漁師が調理の際の燃料に松の葉を使ったから。
刺身を冷水につけると身が広がって松かさ(松ぼっくり)のようになるから。とか諸説あるが定説はない。

活き「松葉ガニ」を刺身にすると松ぼっくりに見えんでもないが・・・・?
「おふじばあちゃん節」足を内側に曲げた形が松葉に似ているから・・・・?

足が松葉似・・・・
等々諸説あるが定説はない。
「松葉ガニ」は図鑑等では「ズワイガニ」で紹介されているが「マツバガニ」は存在する。


「マツバガニ」・一見北海道の毛ガニに似ている。
十脚目イソオウギガニ科の甲殻類。甲幅15cmに達する大型のカニ。甲は四角形で,赤褐色。甲の前側縁付近,はさみ脚および歩脚に黒色の鋭いとげが多数ある。水深10~50mの岩場にすみ,イセエビ用の刺網にかかる。食用とされることもあるが,個体数は多くない。房総半島沿岸から沖縄までとオーストラリア南部から記録されている。
山陰の「松葉ガニ」とは全くの別種である。
『松葉ガニ』11月6日愈々解禁!!
解禁前夜のひげ爺の故郷「諸寄港」の出漁風景;




解禁日の前夜、「航海の安全祈願」と「大漁祈願」を祈る乗組員、関係者等に見送られ午後22時40分スタート、抽選により順次出港。22時50分に全船一縦列に沖へと向かった。初日は遠方の漁場に向かわず近場の漁場で初網を入れて明日は昼前に寄港予定。
初セリは13時より、浜坂港で始まる。例年この日だけは、全部浜坂市場でのセリになっている。
これも抽選でセリ順が決まっており、それに合わせて入港・荷揚げするそうだ。
荷揚げと選別:





セリ場風景:セリ場に各船毎に所有の大きな水槽で船から運び選別する。
活きているカニと活きていないカニの選別から始まり、重さ最高1.2㎏以上を①ランク、500g以上を⑧ランクとして、100g単位で区分。質は、各ランク毎に、「特上」「特一」「特二」など、且夫々に☆「やけ」「おち」などの区分。500g未満はブルーシートに並べる。

特上、特一のクラスはケースにカニの棲息域と同じ温度の海水(摂氏2度)を張り活きた儘競りに掛ける。ケースに青いホースが見えるのはエアーを送るホースである。鮮度を保ちブランド化を図っているという訳である。




「特上」「特一」「特二」等の活きガニは棲息域と同じ温度の海水(摂氏2度)を張り活かされている。
「松葉ガニ」の選別基準は各港毎に多少の差異はあるものの100種類以上に選別されるそうだ。
☆ 「やけ」「おち」とは:

「やけ」とはセコガ二(雌)が産卵可能に為ると脱皮を終えるので年齢を重ねると腹や脚の砂泥に接する部分が汚れた状態に為ったり赤茶け色になる、是を「やけ」と呼んでいる。「やけ」度合いが進んでいるほど親ガニに為ってから年月が経っていると言える。病気でも無い、見栄えは悪いが味も遜色無くヒゲ爺はこちらを選ぶ、何しろ安価で買える。若いセコの腹は白い。

「おち」とは脚の落ちた(無い)カニのこと。脚の無いカニは自然界で天敵に襲われ無くなった場合や網に掛かって脚が無くなった場合等が考えられる。水揚げされても漁獲規格に合わない小さなカニはリリースされるがその折脚が無くなるケースも多くあるそうだ。これも安く買える、「狙い目」である。
船からの荷揚げ、選別が終わり「松葉ガニ」の競りが始まる。




「松葉ガニ」競り風景・

カニ漁期に入ると、但馬漁協、浜坂町漁協に所属する50数隻の沖合底びき網漁船(19~125t)が一斉に出漁し、京都府沖から山口県沖までの漁場で1航海あたり1~5日間操業します。
沖合底びき網では、松葉ガニのほかカレイ類、ハタハタ、ホタルイカなども獲る。
11月6日00時、日付が変わるのと同時に網を繰り出しいよいよ松葉ガニ漁の解禁。
翌6日正午頃殆どの船が帰港。港に接岸するなり松葉ガニを水揚げする、通常は3、4日の操業の後に水揚げとなるのですが、この松葉ガニ初航海だけはまさにとんぼ返り。
水揚げが完了すると船員の家族等に選別を託し再びまた日本海の沖合の漁場へと出発して行く。

網入れの準備完了・

イザ!網入れ・

網入れが終わると漁場の海底を下図の様に網を引き漁をする寸法である。

沖合底びき網漁・
ひげ爺の記憶にある子供時代には既に漁船にも動力エンジンが搭載されており通称「焼玉エンジン」と呼んでいた。始動時に「バア~ン」と大きな音がしたようだ。夕方に為ると港の方から盛んに「バア~ン」「バア~ン」と鳴り響き田舎の港風景の一コマとして記憶の片隅に残っている。
底引き船にエンジンが搭載されてからは現在の様に大掛かりでは無いにしろ現行の様に船で網を曳く漁法が確立していたと思われる。
「おふじばあちゃん」の話では;エンジンの無い時代は「帆と櫓」で操船する「てんぐり漁」で底引き漁をしていたそうである。
「てんぐり漁」とは;「てんぐり」は手繰りの転訛で網を手で手繰り寄せる漁法であろう。先ず地引網を想像して下さい、地引網は海岸の沖合に網を入れ、海岸で網の両端のロープを曳きながら網を狭め魚を漁獲網に追い込み漁獲する漁法である。


地引網漁・
「てんぐり漁」はこの地引網漁を海底の深い沖合で行う訳である。先ず「帆と櫓」沖に出て網を海底に沈め船を移動し錨を下ろし船を固定し人力で網を手繰り寄せ底物魚類を漁獲する寸法である。「松葉ガニ」も獲ったそうだから相当沖合にまで出たと想像できる。但馬地方の始まりは何時か不明であるが、若狭地方の古い文献に「てんぐり漁」は江戸初期には「ズワイガニ」を獲った記録も残っているとの事、大漁なので「米櫃漁」の異名も付けられたそうである。

網揚げ開始・


袋網(集魚網)揚げ完了・


カニと魚の仕分け・





ノギスで「松葉ガニ」の大きさを計る・船内カニの選別風景


11月16日(土曜日)兵庫県新温泉町浜坂港内「魚セリ場」で浜坂みなと「松葉ガニ祭」が開催される。

前日15日(金曜日)ABCテレビで松葉ガニ祭の概要を放映・明日の会場。

生簀の松葉ガニ・活きガニ料理用・


松葉ガニ(雄)と親ガニ(雌・セコガニ)・浜坂漁業組合長談;祭用に雄雌合わせて3000匹を用意した。松葉ガニの活きガニを¥3~5000で料理して召し上がって戴くとのこと。


平成17年より、浜坂観光協会は、カニのお持て成し最高のプロを目指し、カニ・ソムリエ制度を発足した。
カニに関する知識はもちろんのこと、接客、お酒、料理、歴史、文化など研修し、合格した人達ばかりです。


合格すると「認定証」が与えられ、カニソムリエの居る旅館、民宿には「ソムリエにいる宿」の額を掛けられる大きなメリットが有る。

活き松葉ガニを捌き刺身、しゃぶしゃぶ等の素材を造るソムリエ


松葉ガニの刺身・


松葉ガニのしゃぶしゃぶ・

カニのクリーム・コロッケ・
明日の祭会場では「松葉ガニ」捌き方・刺身・しゃぶしゃぶ・カニコロッケ・カニ汁等々の造り方を実演、販売するそうである。






「カニ汁」戴き~!ご馳走さま~!!
11月6日に漁が解禁されたズワイガニを味わう「浜坂みなとカニ祭り」(実行委員会主催)が同16日、新温泉町芦屋の浜坂漁港競り市場で開かれた。かに汁を先着2500人に無料で振る舞うほか、松葉ガニ(ズワイガニの雄)をはじめ海産物の即売コーナーが並ぶ。午前9時から午後1時半まで。
同漁港に水揚げされたカニをふんだんに使ったカニクリームコロッケ、セコガニのみそ煮込みを限定販売。食事コーナーでは、カニ料理のエキスパート「かにソムリエ」が目の前でカニをさばき、焼きがにやかにしゃぶなどを提供した。カニ釣りコーナーなどのイベントも行われ大いに賑わった。
関西、京都方面からの来訪者も多く人口16、000人の新温泉町に倍以上の35,000人の観光客が集まったそうである。



「親ガニ(雌・セコガニ)釣りコーナ~」大賑わい。

「カニコロッケ具材造り」・かにソムリエの女性達のセコガニの身肉取り。

「カニコロッケ具材」の出来上がり。

「カニコロッケ」召し上がれ! 一個¥300也。


カニソムリエによる「活き松葉ガニ捌き・調理」コ~ナ~。カニ捌きの実技、顧客の持ち込みのカニを即座にお好みの料理にして食べさせてくれる。

「活きガニ刺身」


「カニ鋤」具材の出来上がり。焼きガニも旨い。

ひげ爺流の造り方(我が家の場合)・
① セコガニ 2枚
② 大根 適量
③ 味噌 適量(家庭の味に合わせる)
④ 刻み葱 少々
先ずセコガニを綺麗に洗う・下図写真の様にセコガニを捌く。

腹子(ふんどし)を剥がす(反対に折ると簡単に取れる)・両脚を持ち内側に折ると甲羅から脚部が取れる。写真の様に3部位に解体。
「かには食ってもガニ食うな!」と云われる「ガニ」の図。

「ガニ」は必ず取り除く事。
カニは魚と同じくエラ(鰓)呼吸する、「ガニ」はカニの鰓で食べられないと思って下さい。下痢する事があるそうだ。「魚の鮮度は鰓を見よ!」と良く言われるがカニも同じ、黒く為ったり匂いのする物は古い証拠である。


茹でたカニでも「ガニ」は必ず廃棄すること。
我が家ではカニ以外の具材は大根が主、短冊切り、半月切りが味が浸みやすく多用、大根が旨い。煮立ちの時間差があるので予め大根を湯通しておく。
解体したセコガニと大根が浸る程度に水を入れ煮立てる。レシピ等見ると沸騰してから具材を入れる様だがひげ爺流は飽く迄水からが原則。
沸騰したら灰汁を取り味噌を溶き入れ沸騰させないよう中火に落とし7~10分程度(大根の煮え程度を計り)火を消す。

セコガニのカニ汁の出来上がり・きざみ葱・みつ葉など散らすもまた良し。

【見た目・身のつまり具合と重さ】
① カニの色
茹でたカニは赤っぽく染まっている。鮮度のいいカニほど鮮やかな赤色でさらにツヤがある。色艶がよくないカニは、鮮度が落ちている可能性が高い。表面が乾燥しすぎは禁物、古い・美味しくない(瑞々しさを欠く)ので避ける。商品が多くある店頭では見比べが肝要。
② 甲羅の状態
甲羅が乾いているものは、古いか茹で方が下手で茹で過ぎの可能性がある。茹で過ぎると味が塩辛くなり、瑞々しさを欠く。瑞々しさは“茹でガニの命”である。カニビルの卵の沢山付いているカニほど上物で旨い(理由は後述)。
③ 重さ
値段、大きさが同じであれば、手で持ってみて見た目よりもずっしりとした重量感を感じられるカニを選ぶこと、身肉も締りミソもたっぷり詰まっている証拠。
④ お腹の色
カニの腹を見ると新鮮か旨いかどうか一目瞭然。きちんと茹で上がっているカニは腹がクリームがかった白っぽい黄色ですが、茹で方があまい場合や古い場合はカニミソのアブラ分が身肉に回って黒っぽくなる。
⑤ 匂い
カニのお腹の匂いを嗅いでみてください。新鮮なカニはほんのりとカニの良い匂いがします。あまりカニ臭くはありません。鮮度が悪いカニは腐敗臭のような嫌な匂いがする。
⑥ 甲羅の堅さ
カニは脱皮を繰り返しながら成長する。通常、カニの甲羅は固いが、脱皮した直後は甲羅も脚も柔らかい状態である。甲羅の成長にエネルギーを取られるので、身も同時に痩せてしまって美味しくありません。カニの脚を指でつまんで柔らかい場合は購入は控えたほうが良い。甲羅が硬くカニビルの卵が沢山着いているカニを選ぶこと。
セコガニ(雌ガニ)は10~11回目(齢期)の脱皮で産卵可能の親ガニになる、以後は脱皮しない。松葉ガニ(雄ガニ)は13齢期で脱皮を終え以後脱皮は無い。脱皮を繰り返す間はカニビルの卵が着けられても脱皮に因って無くなるが脱皮の最終齢期を過ぎたカニの甲羅にはカニビルの卵が蓄積されるので多い位ほど成長度が高く身肉がしっかり着いた上質のカニと評価される訳である。


甲羅が硬く・カニビルの卵が多く付着・腹の白いカニを選ぶがベストである。
「一に松葉、二に越前、三四がなくて五にズワイガニと言われる程見た目にも味にも差が有る」との事。
何故一が松葉か?
中国山脈の最高峰大山が5万年前と2万年前に大噴火した際に大量の火山灰や軽石を噴出した。その火山灰は偏西風に乗り隠岐の島周辺から兵庫県但馬地方の海に堆積しカニの生育に適した土壌と為り漁場を造ったのが大きな要因であると云われている。
① 海底が堆積土で餌となるヒトデ類、ゴカイ,ひる類等が繁殖し易く餌が豊富である。
② 火山灰の堆積土なのでカニに傷が付きにくく甲羅焼けをしにくい。石や岩が多くなるとカニの甲羅、脚等が傷つき易くなるので防御の為甲羅や脚のトゲが発達し大きくなる。目の肥えたプロは肌の艶、滑らかさ等参考にして山陰産、越前産、北海道産、輸入物の区別が付くそうである。山陰産が一番肌が綺麗である。
③ 栄養豊富な土で味が良くなる。
④ カニビルがの卵が付いたものが多いい程カニが硬く身の詰まりが良い。カニビルが着いているカニは最終脱皮を終え完全に成長した大人に為ったカニである。(カニの成長を参考に)
⑤ 腹部が白又は青白いものが多く見た目も美しい。
⑥ 沈潜が多くカニの棲みやすい環境がある。

② 腹やけも無い綺麗な松葉ガニ

② 生育場所に石や岩礁が多い漁場で育ったズワイガニ・カニビルの卵は無い。肌が粗く艶に欠ける。

⑤ 腹やけのセコガニと綺麗なセコガニ

セコガニ(メスガニ)は1尾のメスガニから約5~60,000尾程の幼生を孵化させます。孵化したばかりのズワイガニの子供は、最初から海底で生活するのではなく、プランクトンのように海中を浮遊して過ごす。この時期のカニを「浮遊期幼生」という。
孵化したばかりの幼生を;
① プレゾエア(1mm)⇒一時間後には脱皮し ② ゾエア(3mm)1期を経て⇒一ヵ月後再び脱皮し ③ ゾエア2期となる⇒一ヵ月後再び脱皮し⇒ ④ メガロッパとなる。ゾエア→4回の脱皮を経てメガロパ→その後1回脱皮して稚ガニへ変態 する。



ゾエア写真・「海水浴皮膚炎」ともいわれる皮膚炎の原因となる事もある。 ★「註」(詳しくは後述)


メガロッパ写真・カニらしく為った。

カニに関係無いがメガロッパ酷似の“古川ロッパ”
①~④が「浮遊期幼生」でメガロッパ時期を3~5ヶ月過し再び脱皮し漸く稚蟹として海底で生活する様になる。その間はより小さなプランクトンを餌にして成長する。
その後、稚ガニは脱皮を繰り返しながら、大きくなっていく訳である。甲幅が5cm未満の頃までは、1年に数回の脱皮を行うが5cm以上になると、1年に1回しか脱皮しない。5cm以上のオスガニの脱皮の時期は、およそ9~10月頃です。
メスガニは、稚ガニから10回の脱皮を繰り返し、「第11齢期」(脱皮の回数)になると産卵を行うようになり、いわゆる「親ガニ」となります。「親ガニ」になると、それ以降は脱皮を行わなくなります。このように、生涯の最後の脱皮を「最終脱皮」と呼んでいる。
オスガニが「親ガニ」となる大きさは早いものは「第10齢期」(甲羅幅7cm前後)、遅いものは「第13齢期」(甲幅13cm以上)とかなりの個体差が認められるのが特徴である。
オスガニの親ガニとは交尾が可能となったオスガニのことであり、オスの漁獲制限は甲羅幅9cmなので10齢期で親二ガになったオスガニはそれ以上大きく為らないから漁獲の対象に為らない訳である。
オスガニの「最終脱皮」は「第13齢期」であり成長を止める。
最終脱皮を終えた大きな松葉ガニには写真の様にカニビルの卵が沢山付着している。脱皮中にも卵は産み付けられるが甲羅の総てを脱ぎ捨てる訳だから過去の卵は無くなる訳である。脱皮した甲羅はカニの最良の餌と為る。


カニ蛭の卵とカニ蛭
最終脱皮を終えた松葉ガニには写真の様に黒い斑点様の卵が付いているものが多い、見た目には良くないがカニ蛭の卵はカニの勲章とも言える。多い程最終脱皮から時を経ているという訳である。
カニにも人間にも些かも悪い影響を及ぼす物ではない。
良い松葉ガニを選ぶには重さ、甲羅足等の硬い物、カニ蛭の卵の多いカニを選ぶ事を推奨する。
カニの脱皮;



カニの脱皮・甲羅はサラッピン!(但馬地方の方言;新しい品・新品の事、まっさら、真っ新)。脱皮前のカニビルの卵はこの様に無くなる訳。
★「註」海水浴皮膚炎 -チンクイにやられた!-
海水浴やダイビング、サーフィンなどの途中に体の一部がチクチクしたり、海からあがったあとに、ウェットスーツや水着の中がかゆくなったり、小さな赤いぶつぶつなどかゆみのある発疹が出来る事がある。
クラゲのように「チクッ」と刺されたという自覚がないことが多く、いつのまにか違和感がしたりかゆみが出てくる症状である。
浅場に棲むエビ、カニ類の産卵期である春~夏、海水浴シーズンに多く産卵直後の「ゾエア」との接触が原因。甲殻類の幼虫は、鋭い棘を持ち、皮膚に刺さると機械的な刺激で皮膚炎を起こす。浮遊中のゾエアが直接肌に刺さる事はないが水着等に多く付着し布と皮膚の間に入り皮膚に刺さる寸法である。
何故「チンクイにやられた!」か?「チンクイ」とは何か?別にチンクイと云う生物がいる訳ではない。近年はパンツ型水着で海水浴をするがひげ爺の子供の頃は越中ふんどし、六尺ふんどし(褌)一本で泳いだものだ。
チンクイのチンは、ちんぽ、ちんぽこの事であり、浮遊中のゾエアがふんどし一本に集中し、ちんぽの周辺に皮膚炎が多く発症したのでチンを食う虫と意味合いで「チンクイ」と呼ばれたそうである。
昨今は褌より小さなビキニ姿の若い娘が「チンクイ」の狙い目かもしれませんな~・・・・。

雄ガニは夏を終えた9~10月頃に脱皮し「サラッピン」オスガニが誕生する。成長途上にある翌年の1月20日~2月28日に漁獲解禁となるがあくまで甲羅9cm以上を厳守している。

大きくて綺麗な松葉ガニであるが身の入りは松葉の50%程度で水分量も多く、甘さは落ちるが身離れが良く食べ易く中々旨い。このカニを「ミズガニとか若松葉ガニ」と呼んでいる。一番の魅力は価格が安い、松葉ガニの10分の1~2割程度買える。

但しカニ味噌は未発達で少量しか無く余り旨くない。大部分が加工品に使用される。


水分が多いいので甲羅から両足を外し茹でて販売している。但し1月20日以降である。その日以前の物は若松葉ではなく輸入カニの可能性が高い。カナダ産ロシア産等の多くはこの型で生のまま冷凍し販売されている。勿論茹でた物もある。


輸入物(ロシア・カナダ産)は生の冷凍、茹でた冷凍で販売される事が多い。解凍して若松葉ガニの様に茹でて販売されるが、冷凍すると水分が失われるので若松葉に比べ瑞々しさに欠け身離れも悪い故若松葉と混同しないが肝要である。脚の硬さ、艶とざらざら感で区別判断をされたい!。茹でガニの再茹では禁物!絶対にしてはいけません!味が落ちますよ!如何しても温かいのが・・・との御仁には、心ならずもではあるが“蒸す”ことを勧める。



① 活きたセコガニ(親ガニ)をいきなり湯の中へ入れると、脚が取れてしまうので、たっぷりの真水の中へ動かなくなるまで浸けておく。(約30分程度)
② セコガニ(親ガニ)をタワシ等で水洗いして汚れを落とします。
③ 鍋にセコガニ(親ガニ)全体が浸かる程度の塩水(約3~7%)を入れ、沸騰させる。
(塩加減はお好みで調節してください。)
④ 塩水が沸騰したらセコガニ(親ガニ)の腹を上にして鍋へ入れ(甲羅が下)、蓋をして再沸騰させます。

⑤ 再沸騰したら蓋を取り、吹きこぼれに注意しながら火を弱め13〜20分程度茹でる。カニの枚数、湯量により適宜調節されたい。
セコガニ(親ガニ)が茹で上がったらザルなどに上げ短時間流水で冷やす、身肉を引き締める為である。溜めた水は禁物、水っぽく為る。流水をかける前にアツアツを食べるのも最高に旨い。


茹で上がりのセコガニ・捌いたセコ;いざ!喰らわんかな!!
注意:決して茹でた蟹を茹で直ししない。蟹の風味が極端に悪くなってしまう。
保存方法
冷蔵庫に入れる場合は十分に冷めてから入れること。冷蔵庫で保存すれば3~4日位は日持ちするが、日を重ねるにつれて蟹の水分が旨味とともに蒸発もしくは流れ出してしてしまい風味が損なわれてしまう。成るべくお早めにお召し上がり下さい。
ひげ爺の場合は冷蔵庫に入れず釣用クーラーに保冷剤を入れ、やんわりと冷やすを常としている。乾燥を防ぐ為ビニールで包む場合もある(若松葉の場合)。ひげ爺宅ではとても3~4日まで残りませ~ん!一日二日でたいらげて仕舞いま~す!

「彼を知り己を知れば百戦危うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない)の言葉が『孫子・謀攻』にあるが「失敗せぬ為」に『松葉ガニ』の基礎知識を再度記してみた。
【ズワイガニの種類】
★ ズワイガニは大きく分けて3種目に分類される。
1種目は「ズワイガニ」で学名「オピリオ種(ずわい蟹)」:山陰の「松葉ガニ」・越前の「越前ガニ」はこの種に当たり、体色は茹でると、ややオレンジ色になり身肉はやや柔らかめで甘くジュウシー・・・!
2種目は「大ズワイガニ」で学名「バルダイ種(大ずわい蟹)」:名の通りオリビオ種より大きく成る。体色は茹でると赤色が強い。味はオリビオ種に比べやや甘み、ジュウシーさで劣り身肉は固めである。
3種目は「紅ズワイガニ」:前両者に比べ、ズワイガニよりも水深の深い場所に生息するといわれ、足、胴の腹面含め全体に暗褐色で、加熱すると全体が鮮やかな紅色になる。オピリオ・バルダイに比して殻が幾分柔らかく薄い。前者に比べ身肉が少なめで甘み、ジュウシーさで数段劣る。比較的安いので「松葉ガニ」と間違えて買わぬが肝要。駅弁「蟹ずし」・缶詰の材料にも多用される。

1種目:「松葉ガニ」・「越前ガニ」共に雄ガニ。


雌ガニ:地方により呼び名が異なる。曰く「親ガニ」「セコガニ・セイコガニ(せこ(背子))」・但馬地方、「コオバコガニ」「香箱ガニ」・越前地方。

2種目目:「松葉ガニ」よりも大きくなるが甲羅は硬く肌理が粗くゴツイ感じ。脚が松葉ガニに比べ若干太短いのが特徴と云える。ベーリング海、アラスカ沿岸域や北海道に棲息するが日本海には棲息しない。オスだけが漁獲の対象となっており、メスの漁獲は禁止。ロシア、アラスカなどから輸入されている。

「松葉ガニ」と「輸入ガニ」の比較:①生産地(漁獲港・船名)のタグが付いている。②「カニビルの卵」の有る無。③足の長さと太さが違う。

3種目目:ズワイガニよりも体色が赤みを帯びている。甲羅の後縁部の傾斜が、ズワイガニやオオズワイガニよりも急なのが特徴、日本海の水深500~2,000mの海底に棲息。山陰や北陸地方では、「かご縄」という漁法で獲られている。オスだけが漁獲の対象となっており、メスの漁獲は禁止。

茹でた紅ズワイガニ・

「かご縄漁・かご網漁」:「底引き網漁」の出来ない深場や岩礁の多い漁場で行われる事が多い。
ズワイガニとオオズワイガニの簡単な見分け方は:
ズワイガニとオオズワイガニとは、一目見ただけで区別するのは難しいが、ある部分を良く見れば、実は容易に識別することが出来ます。
それは、両眼の間の口に近い部分のかたちで、ズワイガニは水平、オオズワイガニはM型になっている。また、両眼の間の二股になったトゲが、ズワイガニは水平に伸びており、オオズワイガニはやや上方に反っている。大きくはこの2点で識別ができる筈である。「松葉ガニ」と輸入ガニの比較写真など参考にして下さい。

両眼の間の口に近い部分:松葉ガニは水平。

両眼の間の口に近い部分:大ズワイガニはM型。

両眼の間の二股になったトゲ:松葉ガニは水平。オオズワイガニは上方に反る

両眼の間の二股になったトゲ:大ズワイガニは上方に反る。

甲羅の違い;松葉ガニ(上)・大ズワイガニ・・・どちらが旨そう?

約100種類以上にも選別される内容の紹介(各漁港毎に多少の選別差がある)
「松葉ガニ」はまず大きさでランクわけされ、大中小と区別された蟹を更に、身詰まり状態、足落ち、傷のあるなし、ヤケ等で細かくランク分けされています。
品 名 平均甲羅幅 説 明
1番ガニ 15cm以上・・・1日に10枚程度しか揚がらない上物。
2番ガニ 14.9cm
3番ガニ 14cm ・・・・1番ガニより少し小さめの上物。
4番ガニ 13.9cm
5番ガニ 13.5cm・・・ 人気の上物買い頃サイズ。
6番ガニ 13.4cm
7番ガニ 13cm・・・・・上物の中ぐらいのサイズ。
より大 12cm・・・・・上物で小さいサイズ。
より小 11cm・・・・・ホテル・旅館の料理に出ているサイズ。
箱大 10cm・・・・・民宿の料理で出ている上物で小さいカニ。
上水 14cm・・・・・上物より少し軟らかめ。刺身に良く使われる。(1~3番ガニより安価)
中水 13cm・・・・・少し軟らかめですが、刺身に人気があり。 (4~6番ガニより安価)
下水 12cm~14cm・ 軟らかめですが、活ガニで売られている。(可也安価)
以上の選別方は漁協のカニ競り市場とカニ業者との取り決めであり我々素人では此処まで知る必要は無いと思われるが一応参考までに・・・・。
大きめのモノほど、味・食べ応えもあり、見た目もよく商品価値も高くなります。甲羅幅1cmの違いは思っている以上に見た目に違いが出ます。
セコガニも大・中・小・少々・身詰まり状態、足落ち、傷のあるなし、ヤケ等で細かくランク分けされて価格が設定される。雌ガニで11月6日~翌年1月10日まで獲れます。甲羅の中の内子や外子(前出)は究極の珍味です。

江戸の昔、吉原遊郭の習わしに、初めて行くのを【初会】と言い2回目を【裏】二回目に同じ遊女に会うことを「裏」といった。これを「裏を返す」ともいう。【馴染み】三回目に通うと漸く【馴染み】の客と呼ばれるように為るそうだ。馴染み客に為れば「お・も・て・な・し」が全く違うほど良くなったそうである。
忘年会やカニ食い旅行で山陰地方に行き、昨夜の「松葉ガニ」に魅せられて「松葉ガニ」を土産にと、適当な魚屋に飛び込むとそれは 【初会】でしか無い。そこで一工夫・昨夜の旅館、民宿の主人、おかみさんに「カニを土産にしたいが親切な良い店を紹介して欲しい」旨を述べ紹介して貰うことが肝要である。必ず親しい店を知っている筈である。紹介の店で◎◎旅館、民宿の主人の紹介で来店した旨を告げれば(必須ですぞ!)、一見の客【初会】に対する扱いではなく【裏】も通り越し【馴染み】客に近い扱いをしてくれるに違いないと確信する。
食べたい料理法(刺身、茹でガニ、焼きガニ、カニ鋤・鍋等々)と予算の何某かを言えばそれに見合ったカニを選んで呉れる筈である。持ち帰りする事も出来るが、今後も「カニ」を求める積りがあれば、自宅に宅配便で送って貰うのも良策である。着荷したらお礼のハガキ一枚も送れば「貴方はもう馴染み客」、顧客名簿に記載される【馴染み】さんに為るに違いなし、その後は電話一本で思いのカニを買えること疑い無しである・・・・・。

インターネットを開くと「松葉ガニ」の最盛期の所為か広告が乱立の状態である。初めての場合どの店を選んで良いのか迷われるに相違ない。値段だけで買うのは些か危険だと思いましょう。あまりにも激安過ぎるのは、どうかと思いますよ・・・!広告と違う商品が送られて来たと云う話をよく聞きますが充分気を付けて下さい!
ひげ爺のお勧めは;都会に本社を持つ大きな会社はネットで注文を取り産地に発送を依頼するそうだから注文主の貴方からは誰の顔も見えませんし業者が二者に為る事で当然割高に為っている筈です。顔が見えねば到底【馴染み客】に為る事は出来ない相談である。
カニ・魚好きの貴方が【馴染の店】を創りたいとお考えなら産地の「魚屋さん」を選ばれるべきである。
前述した様に旅館、民宿の主人を観光協会、漁業組合等に置き換えて【初会】【裏】【馴染の客】の道を辿って下さい。山陰の人達は善人が多いから頼めば親切に教えて呉れる筈である。必ず◎◎観光協会から紹介された旨を「店の方」に話す事が必要です。
参考までに「松葉ガニ」の代表的な産地の観光協会の所在を記載しておきます。
★ 但馬地区;
① 浜坂観光協会
兵庫県美方郡新温泉町芦屋853-1
電話:0796-82-4580
② 香住観光協会
〒669-6546
兵庫県美方郡香美町香住区七日市1-1
TEL :0796-36-1234 FAX :0796-36-3388
③ 豊岡港観光協会 (津居山港)
兵庫県豊岡市瀬戸1番地
TEL:0796-28-3244 / FAX:0796-20-1103
★ 丹後地区;
④ 京丹後市観光協会
〒629-3101 京丹後市網野町下岡(KTR網野駅構内)
TEL: 0772-62-6300 / FAX: 0772-72-0822
★ 鳥取地区;
⑤ 賀露みなと観光協会
鳥取県鳥取市賀露町北
TEL 0857-28-1004
⑥ 網代・田後
鳥取県漁業協同組合
網代港支所
〒680-0073
鳥取県岩美郡岩美町大谷
TEL (0857)72-0481
FAX (0857)72-0052

ひげ爺の産地は但馬の諸寄・「松葉ガニ」漁の盛んな漁港なので何十年来の「お馴染みの店」がある。従って注文の仕方は至って簡単。下記の様にメールを送り知り合いのMさんに「メール送付、宜しく頼む」と電話を一本掛けるだけである。安心してお任せしている。
因みにその店は;浜坂港にある「マル海 渡辺水産」と云い、旨い「海鮮料理」も食べられる、盆の帰省時には必ず立ち寄っている。
★ 注文メール;
① 贈答用 12/22日午前中必着
送り先; 〒579-0000
◎◎市日下町0-0-0
◎◎ 良兵衛 様
℡ 072-988-0000
☆ 松葉ガニ (一枚) ◎万円 相当 (ゆで松葉ガニ)
セコガニ (二枚) 時価相当 (ゆでガニ)
② 拙宅用;
☆ 活きセコ・・・指落ち、やけで結構 送料込みで◎千円
③ 送り先; 〒270-0000
千葉県◎◎市内野0-0-0
℡ 0476-46-0000
☆ 活きセコ・・・・指落ち結構 送料込みで◎千円
以上注文いたします。支払は①②③合計を拙宅用送付時に一括請求して下さい。
正月用は改めて注文します。
ひげ爺 良兵衛 拝
★ メール返信あり(12/17);今日4隻入港、注文の活きセコ用意出来た。明午前中着で発送するとの事。明日は旨い「セコのカニ汁」を堪能出来そうである。
年末年始に満足のいく「買い物」が出来ますように・・・・・!!
「松葉ガニ編 完」
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ひげ爺の独り言 放談 小噺 『山陰地方・番外編』 松葉ガニ

一匹『30万円の松葉ガニ』
例年通り山陰地方の「松葉ガニ」漁が2014年11月6日解禁となり初セリでご祝儀相場でもあろうが何と一枚30万円でセリ落とされました!!(兵庫県新温泉町浜坂港)
この記事を見て、「松葉ガニ」は残念ながら今年も値が張りそうな予感ヒシヒシ。そこで「松葉ガニファン」の皆様に「松葉ガニ」の知識を充分に持って戴き、「カニ食い旅行・ツアー」の土産、贈答や自宅での夕餉を飾る料理等で満足のいく買い方が出来る様にと昨年ブログにUPした「松葉ガニの豆知識・雑学」を再登場させました。
今年のシーズンを満喫されることを祈ります!
但馬のいっちゃん『うんみゃあもん』は冬の『松葉ガニ』だっちゃ!」
「だーれがなんちゃあいったって 但馬のいっちゃん『うんみゃあもん』は冬の『松葉ガニ』だっちゃ!」と“おふじばあちゃん”がいっとりました。 ;和訳・「誰が何と言おうとも 但馬の一番『旨い物』は冬の『松葉ガニ』だよ!」と“おふじばあちゃん”が言っていました。
うんみゃあもん『松葉ガニの雑学(ばあちゃんの教えを含む)』をひげ爺流に捌き(サバキ・料理すること)報告します。
喰らう時、土産を買う時、贈答品を選ぶ時などの参考にして下さい。


「待ってました!」とばかりに解禁翌日の初セリを報道する各社朝刊。

今年の初セリ浜坂港で最高値¥250、000で落札された特大の「松葉ガニ」・¥200,000台が2枚有ったそうだ。

昨年の初セリで¥200,000で落札された「松葉ガニ」・
「松葉ガニ」;
松葉蟹とは:雄の大きな松葉ガニ、雌の親ガニ(セコガニ、セイコガニ、コウバコ)、若松葉ガニ(ミズガ二)に分類されている。先ずは松葉ガニから説明する。


松葉蟹(雄)・活きの姿


茹でた松葉ガニ

親ガニ(雌)・活きの姿
親ガニは地方名で呼ばれる。セコガニ・セイコガニ(但馬地方)・コウバコガニ・香箱(石川県地方)等々。

茹でたて親ガニ

① 外卵(ソトコ)

② 内卵(ウチコ)

③ 茹で親ガニの捌き済・後は喰らうだけ、ウチコ・ソトコは滅法うんみゃあ(旨い)。

若松葉ガニ(俗称;水ガニ・ズボガニ)活きの姿
見た目は綺麗だが本松葉ガニに比べ身肉は小さく水分量が多く味は落ちる。カニは脱皮して大きく成長する、(後述する)若松葉は脱皮後間もないカニで衣替え後のカニと思って下さい。脱皮には相当のエネルギーを使うので身肉も衰弱し水分も多く為るそうだ。然し安価であるのが嬉しいこと、同程度の本松葉の1~2割程度で喰らえるし味も充分行ける。
カニ食い旅行に行き土産屋で「きれい、大きい、安い」だけで本松葉と間違え飛び付かぬが肝要。承知の上で買われるように!本松葉を買えないひげ爺はこれを「狙い目」としている。

若松葉は写真の様に、甲羅に「カニミソ」が少ないので甲羅を除き足株のみ茹でガニとして販売される事が多い。
★ 「カニミソ」;中腸腺は内臓である。カニやエビなどの節足動物で食物の消化と栄養素の貯蔵に大きな役割を果たしている器官である。脊椎動物の肝臓と膵臓の機能をあわせ持つと言われ古くは「肝膵臓」とも呼ばれた。
?『松葉ガニ』って正式な和名では無いって本当ですか?
本当です!『松葉ガニ』とは日本海側山陰地方(島根、鳥取、兵庫、京都府)で獲れるズワイガニの地方名である。
ズワイガニは(楚蟹、津和井蟹、松葉蟹)十脚目ケセンガニ科(旧分類ではクモガニ科)に分類されるカニ。深海に生息する大型のカニで、重要な食用種でもある。日本海の冷水域、島根以北北海道、韓国、北朝鮮、ロシア、カナダ、アラスカ等広い海域に棲む大型のカニ。
「ズワイ」とは、細い木の枝のことを指す古語「楚(すわえ、すはえ)」が訛ったものとされている。漢字では「津和井蟹」とも書かれる。
① 松葉カニ⇒昔は山陰地方で獲れるズワイガニワイの総称として「松葉ガニ」と呼んでいたが最近は・・・
浜坂マツバ(水色)・隠岐マツバ(青)・鳥取マツバ(白地に赤)・津居山ガニ(青)・間人ガニ(緑)等々漁獲地の名前付けてよりブランド化を図っている向きもある。最近はカニに水揚げ港、○○丸と船名の入ったタグ(カッコ内はタグの色)を一匹毎に付けて固有の名前で売り出しているようだ。

② 越前ガニ→福井県越前地方で獲れるズワイガニの総称(黄色)である。
③ 上記以外で水揚げされたカニはズワイガニと呼んでいる。北海道ズワイガニ、ロシア産ズワイガニ、カナダ産ズワイガニ等々。(前述)
「松葉ガニ」の名前の由来:
しなやかに伸びた細長い脚の形から松葉をイメージしたから。
漁師が調理の際の燃料に松の葉を使ったから。
刺身を冷水につけると身が広がって松かさ(松ぼっくり)のようになるから。とか諸説あるが定説はない。

活き「松葉ガニ」を刺身にすると松ぼっくりに見えんでもないが・・・・?
「おふじばあちゃん節」足を内側に曲げた形が松葉に似ているから・・・・?

足が松葉似・・・・
等々諸説あるが定説はない。
「松葉ガニ」は図鑑等では「ズワイガニ」で紹介されているが「マツバガニ」は存在する。


「マツバガニ」・一見北海道の毛ガニに似ている。
十脚目イソオウギガニ科の甲殻類。甲幅15cmに達する大型のカニ。甲は四角形で,赤褐色。甲の前側縁付近,はさみ脚および歩脚に黒色の鋭いとげが多数ある。水深10~50mの岩場にすみ,イセエビ用の刺網にかかる。食用とされることもあるが,個体数は多くない。房総半島沿岸から沖縄までとオーストラリア南部から記録されている。
山陰の「松葉ガニ」とは全くの別種である。
『松葉ガニ』11月6日愈々解禁!!
解禁前夜のひげ爺の故郷「諸寄港」の出漁風景;




解禁日の前夜、「航海の安全祈願」と「大漁祈願」を祈る乗組員、関係者等に見送られ午後22時40分スタート、抽選により順次出港。22時50分に全船一縦列に沖へと向かった。初日は遠方の漁場に向かわず近場の漁場で初網を入れて明日は昼前に寄港予定。
初セリは13時より、浜坂港で始まる。例年この日だけは、全部浜坂市場でのセリになっている。
これも抽選でセリ順が決まっており、それに合わせて入港・荷揚げするそうだ。
荷揚げと選別:





セリ場風景:セリ場に各船毎に所有の大きな水槽で船から運び選別する。
活きているカニと活きていないカニの選別から始まり、重さ最高1.2㎏以上を①ランク、500g以上を⑧ランクとして、100g単位で区分。質は、各ランク毎に、「特上」「特一」「特二」など、且夫々に☆「やけ」「おち」などの区分。500g未満はブルーシートに並べる。

特上、特一のクラスはケースにカニの棲息域と同じ温度の海水(摂氏2度)を張り活きた儘競りに掛ける。ケースに青いホースが見えるのはエアーを送るホースである。鮮度を保ちブランド化を図っているという訳である。




「特上」「特一」「特二」等の活きガニは棲息域と同じ温度の海水(摂氏2度)を張り活かされている。
「松葉ガニ」の選別基準は各港毎に多少の差異はあるものの100種類以上に選別されるそうだ。
☆ 「やけ」「おち」とは:

「やけ」とはセコガ二(雌)が産卵可能に為ると脱皮を終えるので年齢を重ねると腹や脚の砂泥に接する部分が汚れた状態に為ったり赤茶け色になる、是を「やけ」と呼んでいる。「やけ」度合いが進んでいるほど親ガニに為ってから年月が経っていると言える。病気でも無い、見栄えは悪いが味も遜色無くヒゲ爺はこちらを選ぶ、何しろ安価で買える。若いセコの腹は白い。

「おち」とは脚の落ちた(無い)カニのこと。脚の無いカニは自然界で天敵に襲われ無くなった場合や網に掛かって脚が無くなった場合等が考えられる。水揚げされても漁獲規格に合わない小さなカニはリリースされるがその折脚が無くなるケースも多くあるそうだ。これも安く買える、「狙い目」である。
船からの荷揚げ、選別が終わり「松葉ガニ」の競りが始まる。




「松葉ガニ」競り風景・

カニ漁期に入ると、但馬漁協、浜坂町漁協に所属する50数隻の沖合底びき網漁船(19~125t)が一斉に出漁し、京都府沖から山口県沖までの漁場で1航海あたり1~5日間操業します。
沖合底びき網では、松葉ガニのほかカレイ類、ハタハタ、ホタルイカなども獲る。
11月6日00時、日付が変わるのと同時に網を繰り出しいよいよ松葉ガニ漁の解禁。
翌6日正午頃殆どの船が帰港。港に接岸するなり松葉ガニを水揚げする、通常は3、4日の操業の後に水揚げとなるのですが、この松葉ガニ初航海だけはまさにとんぼ返り。
水揚げが完了すると船員の家族等に選別を託し再びまた日本海の沖合の漁場へと出発して行く。

網入れの準備完了・

イザ!網入れ・

網入れが終わると漁場の海底を下図の様に網を引き漁をする寸法である。

沖合底びき網漁・
ひげ爺の記憶にある子供時代には既に漁船にも動力エンジンが搭載されており通称「焼玉エンジン」と呼んでいた。始動時に「バア~ン」と大きな音がしたようだ。夕方に為ると港の方から盛んに「バア~ン」「バア~ン」と鳴り響き田舎の港風景の一コマとして記憶の片隅に残っている。
底引き船にエンジンが搭載されてからは現在の様に大掛かりでは無いにしろ現行の様に船で網を曳く漁法が確立していたと思われる。
「おふじばあちゃん」の話では;エンジンの無い時代は「帆と櫓」で操船する「てんぐり漁」で底引き漁をしていたそうである。
「てんぐり漁」とは;「てんぐり」は手繰りの転訛で網を手で手繰り寄せる漁法であろう。先ず地引網を想像して下さい、地引網は海岸の沖合に網を入れ、海岸で網の両端のロープを曳きながら網を狭め魚を漁獲網に追い込み漁獲する漁法である。


地引網漁・
「てんぐり漁」はこの地引網漁を海底の深い沖合で行う訳である。先ず「帆と櫓」沖に出て網を海底に沈め船を移動し錨を下ろし船を固定し人力で網を手繰り寄せ底物魚類を漁獲する寸法である。「松葉ガニ」も獲ったそうだから相当沖合にまで出たと想像できる。但馬地方の始まりは何時か不明であるが、若狭地方の古い文献に「てんぐり漁」は江戸初期には「ズワイガニ」を獲った記録も残っているとの事、大漁なので「米櫃漁」の異名も付けられたそうである。

網揚げ開始・


袋網(集魚網)揚げ完了・


カニと魚の仕分け・





ノギスで「松葉ガニ」の大きさを計る・船内カニの選別風景


11月16日(土曜日)兵庫県新温泉町浜坂港内「魚セリ場」で浜坂みなと「松葉ガニ祭」が開催される。

前日15日(金曜日)ABCテレビで松葉ガニ祭の概要を放映・明日の会場。

生簀の松葉ガニ・活きガニ料理用・


松葉ガニ(雄)と親ガニ(雌・セコガニ)・浜坂漁業組合長談;祭用に雄雌合わせて3000匹を用意した。松葉ガニの活きガニを¥3~5000で料理して召し上がって戴くとのこと。


平成17年より、浜坂観光協会は、カニのお持て成し最高のプロを目指し、カニ・ソムリエ制度を発足した。
カニに関する知識はもちろんのこと、接客、お酒、料理、歴史、文化など研修し、合格した人達ばかりです。


合格すると「認定証」が与えられ、カニソムリエの居る旅館、民宿には「ソムリエにいる宿」の額を掛けられる大きなメリットが有る。

活き松葉ガニを捌き刺身、しゃぶしゃぶ等の素材を造るソムリエ


松葉ガニの刺身・


松葉ガニのしゃぶしゃぶ・

カニのクリーム・コロッケ・
明日の祭会場では「松葉ガニ」捌き方・刺身・しゃぶしゃぶ・カニコロッケ・カニ汁等々の造り方を実演、販売するそうである。






「カニ汁」戴き~!ご馳走さま~!!
11月6日に漁が解禁されたズワイガニを味わう「浜坂みなとカニ祭り」(実行委員会主催)が同16日、新温泉町芦屋の浜坂漁港競り市場で開かれた。かに汁を先着2500人に無料で振る舞うほか、松葉ガニ(ズワイガニの雄)をはじめ海産物の即売コーナーが並ぶ。午前9時から午後1時半まで。
同漁港に水揚げされたカニをふんだんに使ったカニクリームコロッケ、セコガニのみそ煮込みを限定販売。食事コーナーでは、カニ料理のエキスパート「かにソムリエ」が目の前でカニをさばき、焼きがにやかにしゃぶなどを提供した。カニ釣りコーナーなどのイベントも行われ大いに賑わった。
関西、京都方面からの来訪者も多く人口16、000人の新温泉町に倍以上の35,000人の観光客が集まったそうである。



「親ガニ(雌・セコガニ)釣りコーナ~」大賑わい。

「カニコロッケ具材造り」・かにソムリエの女性達のセコガニの身肉取り。

「カニコロッケ具材」の出来上がり。

「カニコロッケ」召し上がれ! 一個¥300也。


カニソムリエによる「活き松葉ガニ捌き・調理」コ~ナ~。カニ捌きの実技、顧客の持ち込みのカニを即座にお好みの料理にして食べさせてくれる。

「活きガニ刺身」


「カニ鋤」具材の出来上がり。焼きガニも旨い。

ひげ爺流の造り方(我が家の場合)・
① セコガニ 2枚
② 大根 適量
③ 味噌 適量(家庭の味に合わせる)
④ 刻み葱 少々
先ずセコガニを綺麗に洗う・下図写真の様にセコガニを捌く。

腹子(ふんどし)を剥がす(反対に折ると簡単に取れる)・両脚を持ち内側に折ると甲羅から脚部が取れる。写真の様に3部位に解体。
「かには食ってもガニ食うな!」と云われる「ガニ」の図。

「ガニ」は必ず取り除く事。
カニは魚と同じくエラ(鰓)呼吸する、「ガニ」はカニの鰓で食べられないと思って下さい。下痢する事があるそうだ。「魚の鮮度は鰓を見よ!」と良く言われるがカニも同じ、黒く為ったり匂いのする物は古い証拠である。


茹でたカニでも「ガニ」は必ず廃棄すること。
我が家ではカニ以外の具材は大根が主、短冊切り、半月切りが味が浸みやすく多用、大根が旨い。煮立ちの時間差があるので予め大根を湯通しておく。
解体したセコガニと大根が浸る程度に水を入れ煮立てる。レシピ等見ると沸騰してから具材を入れる様だがひげ爺流は飽く迄水からが原則。
沸騰したら灰汁を取り味噌を溶き入れ沸騰させないよう中火に落とし7~10分程度(大根の煮え程度を計り)火を消す。

セコガニのカニ汁の出来上がり・きざみ葱・みつ葉など散らすもまた良し。

【見た目・身のつまり具合と重さ】
① カニの色
茹でたカニは赤っぽく染まっている。鮮度のいいカニほど鮮やかな赤色でさらにツヤがある。色艶がよくないカニは、鮮度が落ちている可能性が高い。表面が乾燥しすぎは禁物、古い・美味しくない(瑞々しさを欠く)ので避ける。商品が多くある店頭では見比べが肝要。
② 甲羅の状態
甲羅が乾いているものは、古いか茹で方が下手で茹で過ぎの可能性がある。茹で過ぎると味が塩辛くなり、瑞々しさを欠く。瑞々しさは“茹でガニの命”である。カニビルの卵の沢山付いているカニほど上物で旨い(理由は後述)。
③ 重さ
値段、大きさが同じであれば、手で持ってみて見た目よりもずっしりとした重量感を感じられるカニを選ぶこと、身肉も締りミソもたっぷり詰まっている証拠。
④ お腹の色
カニの腹を見ると新鮮か旨いかどうか一目瞭然。きちんと茹で上がっているカニは腹がクリームがかった白っぽい黄色ですが、茹で方があまい場合や古い場合はカニミソのアブラ分が身肉に回って黒っぽくなる。
⑤ 匂い
カニのお腹の匂いを嗅いでみてください。新鮮なカニはほんのりとカニの良い匂いがします。あまりカニ臭くはありません。鮮度が悪いカニは腐敗臭のような嫌な匂いがする。
⑥ 甲羅の堅さ
カニは脱皮を繰り返しながら成長する。通常、カニの甲羅は固いが、脱皮した直後は甲羅も脚も柔らかい状態である。甲羅の成長にエネルギーを取られるので、身も同時に痩せてしまって美味しくありません。カニの脚を指でつまんで柔らかい場合は購入は控えたほうが良い。甲羅が硬くカニビルの卵が沢山着いているカニを選ぶこと。
セコガニ(雌ガニ)は10~11回目(齢期)の脱皮で産卵可能の親ガニになる、以後は脱皮しない。松葉ガニ(雄ガニ)は13齢期で脱皮を終え以後脱皮は無い。脱皮を繰り返す間はカニビルの卵が着けられても脱皮に因って無くなるが脱皮の最終齢期を過ぎたカニの甲羅にはカニビルの卵が蓄積されるので多い位ほど成長度が高く身肉がしっかり着いた上質のカニと評価される訳である。


甲羅が硬く・カニビルの卵が多く付着・腹の白いカニを選ぶがベストである。
「一に松葉、二に越前、三四がなくて五にズワイガニと言われる程見た目にも味にも差が有る」との事。
何故一が松葉か?
中国山脈の最高峰大山が5万年前と2万年前に大噴火した際に大量の火山灰や軽石を噴出した。その火山灰は偏西風に乗り隠岐の島周辺から兵庫県但馬地方の海に堆積しカニの生育に適した土壌と為り漁場を造ったのが大きな要因であると云われている。
① 海底が堆積土で餌となるヒトデ類、ゴカイ,ひる類等が繁殖し易く餌が豊富である。
② 火山灰の堆積土なのでカニに傷が付きにくく甲羅焼けをしにくい。石や岩が多くなるとカニの甲羅、脚等が傷つき易くなるので防御の為甲羅や脚のトゲが発達し大きくなる。目の肥えたプロは肌の艶、滑らかさ等参考にして山陰産、越前産、北海道産、輸入物の区別が付くそうである。山陰産が一番肌が綺麗である。
③ 栄養豊富な土で味が良くなる。
④ カニビルがの卵が付いたものが多いい程カニが硬く身の詰まりが良い。カニビルが着いているカニは最終脱皮を終え完全に成長した大人に為ったカニである。(カニの成長を参考に)
⑤ 腹部が白又は青白いものが多く見た目も美しい。
⑥ 沈潜が多くカニの棲みやすい環境がある。

② 腹やけも無い綺麗な松葉ガニ

② 生育場所に石や岩礁が多い漁場で育ったズワイガニ・カニビルの卵は無い。肌が粗く艶に欠ける。

⑤ 腹やけのセコガニと綺麗なセコガニ

セコガニ(メスガニ)は1尾のメスガニから約5~60,000尾程の幼生を孵化させます。孵化したばかりのズワイガニの子供は、最初から海底で生活するのではなく、プランクトンのように海中を浮遊して過ごす。この時期のカニを「浮遊期幼生」という。
孵化したばかりの幼生を;
① プレゾエア(1mm)⇒一時間後には脱皮し ② ゾエア(3mm)1期を経て⇒一ヵ月後再び脱皮し ③ ゾエア2期となる⇒一ヵ月後再び脱皮し⇒ ④ メガロッパとなる。ゾエア→4回の脱皮を経てメガロパ→その後1回脱皮して稚ガニへ変態 する。



ゾエア写真・「海水浴皮膚炎」ともいわれる皮膚炎の原因となる事もある。 ★「註」(詳しくは後述)


メガロッパ写真・カニらしく為った。

カニに関係無いがメガロッパ酷似の“古川ロッパ”
①~④が「浮遊期幼生」でメガロッパ時期を3~5ヶ月過し再び脱皮し漸く稚蟹として海底で生活する様になる。その間はより小さなプランクトンを餌にして成長する。
その後、稚ガニは脱皮を繰り返しながら、大きくなっていく訳である。甲幅が5cm未満の頃までは、1年に数回の脱皮を行うが5cm以上になると、1年に1回しか脱皮しない。5cm以上のオスガニの脱皮の時期は、およそ9~10月頃です。
メスガニは、稚ガニから10回の脱皮を繰り返し、「第11齢期」(脱皮の回数)になると産卵を行うようになり、いわゆる「親ガニ」となります。「親ガニ」になると、それ以降は脱皮を行わなくなります。このように、生涯の最後の脱皮を「最終脱皮」と呼んでいる。
オスガニが「親ガニ」となる大きさは早いものは「第10齢期」(甲羅幅7cm前後)、遅いものは「第13齢期」(甲幅13cm以上)とかなりの個体差が認められるのが特徴である。
オスガニの親ガニとは交尾が可能となったオスガニのことであり、オスの漁獲制限は甲羅幅9cmなので10齢期で親二ガになったオスガニはそれ以上大きく為らないから漁獲の対象に為らない訳である。
オスガニの「最終脱皮」は「第13齢期」であり成長を止める。
最終脱皮を終えた大きな松葉ガニには写真の様にカニビルの卵が沢山付着している。脱皮中にも卵は産み付けられるが甲羅の総てを脱ぎ捨てる訳だから過去の卵は無くなる訳である。脱皮した甲羅はカニの最良の餌と為る。


カニ蛭の卵とカニ蛭
最終脱皮を終えた松葉ガニには写真の様に黒い斑点様の卵が付いているものが多い、見た目には良くないがカニ蛭の卵はカニの勲章とも言える。多い程最終脱皮から時を経ているという訳である。
カニにも人間にも些かも悪い影響を及ぼす物ではない。
良い松葉ガニを選ぶには重さ、甲羅足等の硬い物、カニ蛭の卵の多いカニを選ぶ事を推奨する。
カニの脱皮;



カニの脱皮・甲羅はサラッピン!(但馬地方の方言;新しい品・新品の事、まっさら、真っ新)。脱皮前のカニビルの卵はこの様に無くなる訳。
★「註」海水浴皮膚炎 -チンクイにやられた!-
海水浴やダイビング、サーフィンなどの途中に体の一部がチクチクしたり、海からあがったあとに、ウェットスーツや水着の中がかゆくなったり、小さな赤いぶつぶつなどかゆみのある発疹が出来る事がある。
クラゲのように「チクッ」と刺されたという自覚がないことが多く、いつのまにか違和感がしたりかゆみが出てくる症状である。
浅場に棲むエビ、カニ類の産卵期である春~夏、海水浴シーズンに多く産卵直後の「ゾエア」との接触が原因。甲殻類の幼虫は、鋭い棘を持ち、皮膚に刺さると機械的な刺激で皮膚炎を起こす。浮遊中のゾエアが直接肌に刺さる事はないが水着等に多く付着し布と皮膚の間に入り皮膚に刺さる寸法である。
何故「チンクイにやられた!」か?「チンクイ」とは何か?別にチンクイと云う生物がいる訳ではない。近年はパンツ型水着で海水浴をするがひげ爺の子供の頃は越中ふんどし、六尺ふんどし(褌)一本で泳いだものだ。
チンクイのチンは、ちんぽ、ちんぽこの事であり、浮遊中のゾエアがふんどし一本に集中し、ちんぽの周辺に皮膚炎が多く発症したのでチンを食う虫と意味合いで「チンクイ」と呼ばれたそうである。
昨今は褌より小さなビキニ姿の若い娘が「チンクイ」の狙い目かもしれませんな~・・・・。

雄ガニは夏を終えた9~10月頃に脱皮し「サラッピン」オスガニが誕生する。成長途上にある翌年の1月20日~2月28日に漁獲解禁となるがあくまで甲羅9cm以上を厳守している。

大きくて綺麗な松葉ガニであるが身の入りは松葉の50%程度で水分量も多く、甘さは落ちるが身離れが良く食べ易く中々旨い。このカニを「ミズガニとか若松葉ガニ」と呼んでいる。一番の魅力は価格が安い、松葉ガニの10分の1~2割程度買える。

但しカニ味噌は未発達で少量しか無く余り旨くない。大部分が加工品に使用される。


水分が多いいので甲羅から両足を外し茹でて販売している。但し1月20日以降である。その日以前の物は若松葉ではなく輸入カニの可能性が高い。カナダ産ロシア産等の多くはこの型で生のまま冷凍し販売されている。勿論茹でた物もある。


輸入物(ロシア・カナダ産)は生の冷凍、茹でた冷凍で販売される事が多い。解凍して若松葉ガニの様に茹でて販売されるが、冷凍すると水分が失われるので若松葉に比べ瑞々しさに欠け身離れも悪い故若松葉と混同しないが肝要である。脚の硬さ、艶とざらざら感で区別判断をされたい!。茹でガニの再茹では禁物!絶対にしてはいけません!味が落ちますよ!如何しても温かいのが・・・との御仁には、心ならずもではあるが“蒸す”ことを勧める。



① 活きたセコガニ(親ガニ)をいきなり湯の中へ入れると、脚が取れてしまうので、たっぷりの真水の中へ動かなくなるまで浸けておく。(約30分程度)
② セコガニ(親ガニ)をタワシ等で水洗いして汚れを落とします。
③ 鍋にセコガニ(親ガニ)全体が浸かる程度の塩水(約3~7%)を入れ、沸騰させる。
(塩加減はお好みで調節してください。)
④ 塩水が沸騰したらセコガニ(親ガニ)の腹を上にして鍋へ入れ(甲羅が下)、蓋をして再沸騰させます。

⑤ 再沸騰したら蓋を取り、吹きこぼれに注意しながら火を弱め13〜20分程度茹でる。カニの枚数、湯量により適宜調節されたい。
セコガニ(親ガニ)が茹で上がったらザルなどに上げ短時間流水で冷やす、身肉を引き締める為である。溜めた水は禁物、水っぽく為る。流水をかける前にアツアツを食べるのも最高に旨い。


茹で上がりのセコガニ・捌いたセコ;いざ!喰らわんかな!!
注意:決して茹でた蟹を茹で直ししない。蟹の風味が極端に悪くなってしまう。
保存方法
冷蔵庫に入れる場合は十分に冷めてから入れること。冷蔵庫で保存すれば3~4日位は日持ちするが、日を重ねるにつれて蟹の水分が旨味とともに蒸発もしくは流れ出してしてしまい風味が損なわれてしまう。成るべくお早めにお召し上がり下さい。
ひげ爺の場合は冷蔵庫に入れず釣用クーラーに保冷剤を入れ、やんわりと冷やすを常としている。乾燥を防ぐ為ビニールで包む場合もある(若松葉の場合)。ひげ爺宅ではとても3~4日まで残りませ~ん!一日二日でたいらげて仕舞いま~す!

「彼を知り己を知れば百戦危うからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない)の言葉が『孫子・謀攻』にあるが「失敗せぬ為」に『松葉ガニ』の基礎知識を再度記してみた。
【ズワイガニの種類】
★ ズワイガニは大きく分けて3種目に分類される。
1種目は「ズワイガニ」で学名「オピリオ種(ずわい蟹)」:山陰の「松葉ガニ」・越前の「越前ガニ」はこの種に当たり、体色は茹でると、ややオレンジ色になり身肉はやや柔らかめで甘くジュウシー・・・!
2種目は「大ズワイガニ」で学名「バルダイ種(大ずわい蟹)」:名の通りオリビオ種より大きく成る。体色は茹でると赤色が強い。味はオリビオ種に比べやや甘み、ジュウシーさで劣り身肉は固めである。
3種目は「紅ズワイガニ」:前両者に比べ、ズワイガニよりも水深の深い場所に生息するといわれ、足、胴の腹面含め全体に暗褐色で、加熱すると全体が鮮やかな紅色になる。オピリオ・バルダイに比して殻が幾分柔らかく薄い。前者に比べ身肉が少なめで甘み、ジュウシーさで数段劣る。比較的安いので「松葉ガニ」と間違えて買わぬが肝要。駅弁「蟹ずし」・缶詰の材料にも多用される。

1種目:「松葉ガニ」・「越前ガニ」共に雄ガニ。


雌ガニ:地方により呼び名が異なる。曰く「親ガニ」「セコガニ・セイコガニ(せこ(背子))」・但馬地方、「コオバコガニ」「香箱ガニ」・越前地方。

2種目目:「松葉ガニ」よりも大きくなるが甲羅は硬く肌理が粗くゴツイ感じ。脚が松葉ガニに比べ若干太短いのが特徴と云える。ベーリング海、アラスカ沿岸域や北海道に棲息するが日本海には棲息しない。オスだけが漁獲の対象となっており、メスの漁獲は禁止。ロシア、アラスカなどから輸入されている。

「松葉ガニ」と「輸入ガニ」の比較:①生産地(漁獲港・船名)のタグが付いている。②「カニビルの卵」の有る無。③足の長さと太さが違う。

3種目目:ズワイガニよりも体色が赤みを帯びている。甲羅の後縁部の傾斜が、ズワイガニやオオズワイガニよりも急なのが特徴、日本海の水深500~2,000mの海底に棲息。山陰や北陸地方では、「かご縄」という漁法で獲られている。オスだけが漁獲の対象となっており、メスの漁獲は禁止。

茹でた紅ズワイガニ・

「かご縄漁・かご網漁」:「底引き網漁」の出来ない深場や岩礁の多い漁場で行われる事が多い。
ズワイガニとオオズワイガニの簡単な見分け方は:
ズワイガニとオオズワイガニとは、一目見ただけで区別するのは難しいが、ある部分を良く見れば、実は容易に識別することが出来ます。
それは、両眼の間の口に近い部分のかたちで、ズワイガニは水平、オオズワイガニはM型になっている。また、両眼の間の二股になったトゲが、ズワイガニは水平に伸びており、オオズワイガニはやや上方に反っている。大きくはこの2点で識別ができる筈である。「松葉ガニ」と輸入ガニの比較写真など参考にして下さい。

両眼の間の口に近い部分:松葉ガニは水平。

両眼の間の口に近い部分:大ズワイガニはM型。

両眼の間の二股になったトゲ:松葉ガニは水平。オオズワイガニは上方に反る

両眼の間の二股になったトゲ:大ズワイガニは上方に反る。

甲羅の違い;松葉ガニ(上)・大ズワイガニ・・・どちらが旨そう?

約100種類以上にも選別される内容の紹介(各漁港毎に多少の選別差がある)
「松葉ガニ」はまず大きさでランクわけされ、大中小と区別された蟹を更に、身詰まり状態、足落ち、傷のあるなし、ヤケ等で細かくランク分けされています。
品 名 平均甲羅幅 説 明
1番ガニ 15cm以上・・・1日に10枚程度しか揚がらない上物。
2番ガニ 14.9cm
3番ガニ 14cm ・・・・1番ガニより少し小さめの上物。
4番ガニ 13.9cm
5番ガニ 13.5cm・・・ 人気の上物買い頃サイズ。
6番ガニ 13.4cm
7番ガニ 13cm・・・・・上物の中ぐらいのサイズ。
より大 12cm・・・・・上物で小さいサイズ。
より小 11cm・・・・・ホテル・旅館の料理に出ているサイズ。
箱大 10cm・・・・・民宿の料理で出ている上物で小さいカニ。
上水 14cm・・・・・上物より少し軟らかめ。刺身に良く使われる。(1~3番ガニより安価)
中水 13cm・・・・・少し軟らかめですが、刺身に人気があり。 (4~6番ガニより安価)
下水 12cm~14cm・ 軟らかめですが、活ガニで売られている。(可也安価)
以上の選別方は漁協のカニ競り市場とカニ業者との取り決めであり我々素人では此処まで知る必要は無いと思われるが一応参考までに・・・・。
大きめのモノほど、味・食べ応えもあり、見た目もよく商品価値も高くなります。甲羅幅1cmの違いは思っている以上に見た目に違いが出ます。
セコガニも大・中・小・少々・身詰まり状態、足落ち、傷のあるなし、ヤケ等で細かくランク分けされて価格が設定される。雌ガニで11月6日~翌年1月10日まで獲れます。甲羅の中の内子や外子(前出)は究極の珍味です。

江戸の昔、吉原遊郭の習わしに、初めて行くのを【初会】と言い2回目を【裏】二回目に同じ遊女に会うことを「裏」といった。これを「裏を返す」ともいう。【馴染み】三回目に通うと漸く【馴染み】の客と呼ばれるように為るそうだ。馴染み客に為れば「お・も・て・な・し」が全く違うほど良くなったそうである。
忘年会やカニ食い旅行で山陰地方に行き、昨夜の「松葉ガニ」に魅せられて「松葉ガニ」を土産にと、適当な魚屋に飛び込むとそれは 【初会】でしか無い。そこで一工夫・昨夜の旅館、民宿の主人、おかみさんに「カニを土産にしたいが親切な良い店を紹介して欲しい」旨を述べ紹介して貰うことが肝要である。必ず親しい店を知っている筈である。紹介の店で◎◎旅館、民宿の主人の紹介で来店した旨を告げれば(必須ですぞ!)、一見の客【初会】に対する扱いではなく【裏】も通り越し【馴染み】客に近い扱いをしてくれるに違いないと確信する。
食べたい料理法(刺身、茹でガニ、焼きガニ、カニ鋤・鍋等々)と予算の何某かを言えばそれに見合ったカニを選んで呉れる筈である。持ち帰りする事も出来るが、今後も「カニ」を求める積りがあれば、自宅に宅配便で送って貰うのも良策である。着荷したらお礼のハガキ一枚も送れば「貴方はもう馴染み客」、顧客名簿に記載される【馴染み】さんに為るに違いなし、その後は電話一本で思いのカニを買えること疑い無しである・・・・・。

インターネットを開くと「松葉ガニ」の最盛期の所為か広告が乱立の状態である。初めての場合どの店を選んで良いのか迷われるに相違ない。値段だけで買うのは些か危険だと思いましょう。あまりにも激安過ぎるのは、どうかと思いますよ・・・!広告と違う商品が送られて来たと云う話をよく聞きますが充分気を付けて下さい!
ひげ爺のお勧めは;都会に本社を持つ大きな会社はネットで注文を取り産地に発送を依頼するそうだから注文主の貴方からは誰の顔も見えませんし業者が二者に為る事で当然割高に為っている筈です。顔が見えねば到底【馴染み客】に為る事は出来ない相談である。
カニ・魚好きの貴方が【馴染の店】を創りたいとお考えなら産地の「魚屋さん」を選ばれるべきである。
前述した様に旅館、民宿の主人を観光協会、漁業組合等に置き換えて【初会】【裏】【馴染の客】の道を辿って下さい。山陰の人達は善人が多いから頼めば親切に教えて呉れる筈である。必ず◎◎観光協会から紹介された旨を「店の方」に話す事が必要です。
参考までに「松葉ガニ」の代表的な産地の観光協会の所在を記載しておきます。
★ 但馬地区;
① 浜坂観光協会
兵庫県美方郡新温泉町芦屋853-1
電話:0796-82-4580
② 香住観光協会
〒669-6546
兵庫県美方郡香美町香住区七日市1-1
TEL :0796-36-1234 FAX :0796-36-3388
③ 豊岡港観光協会 (津居山港)
兵庫県豊岡市瀬戸1番地
TEL:0796-28-3244 / FAX:0796-20-1103
★ 丹後地区;
④ 京丹後市観光協会
〒629-3101 京丹後市網野町下岡(KTR網野駅構内)
TEL: 0772-62-6300 / FAX: 0772-72-0822
★ 鳥取地区;
⑤ 賀露みなと観光協会
鳥取県鳥取市賀露町北
TEL 0857-28-1004
⑥ 網代・田後
鳥取県漁業協同組合
網代港支所
〒680-0073
鳥取県岩美郡岩美町大谷
TEL (0857)72-0481
FAX (0857)72-0052

ひげ爺の産地は但馬の諸寄・「松葉ガニ」漁の盛んな漁港なので何十年来の「お馴染みの店」がある。従って注文の仕方は至って簡単。下記の様にメールを送り知り合いのMさんに「メール送付、宜しく頼む」と電話を一本掛けるだけである。安心してお任せしている。
因みにその店は;浜坂港にある「マル海 渡辺水産」と云い、旨い「海鮮料理」も食べられる、盆の帰省時には必ず立ち寄っている。
★ 注文メール;
① 贈答用 12/22日午前中必着
送り先; 〒579-0000
◎◎市日下町0-0-0
◎◎ 良兵衛 様
℡ 072-988-0000
☆ 松葉ガニ (一枚) ◎万円 相当 (ゆで松葉ガニ)
セコガニ (二枚) 時価相当 (ゆでガニ)
② 拙宅用;
☆ 活きセコ・・・指落ち、やけで結構 送料込みで◎千円
③ 送り先; 〒270-0000
千葉県◎◎市内野0-0-0
℡ 0476-46-0000
☆ 活きセコ・・・・指落ち結構 送料込みで◎千円
以上注文いたします。支払は①②③合計を拙宅用送付時に一括請求して下さい。
正月用は改めて注文します。
ひげ爺 良兵衛 拝
★ メール返信あり(12/17);今日4隻入港、注文の活きセコ用意出来た。明午前中着で発送するとの事。明日は旨い「セコのカニ汁」を堪能出来そうである。
年末年始に満足のいく「買い物」が出来ますように・・・・・!!
「松葉ガニ編 完」