ヒゲ爺の独り言
エッセイ、昔の思い出話、釣り魚話、喰らい方等々
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但馬地方の冬の珍味(魚介類) ② マツバ蟹
山陰海岸の冬の味の王様は『マツバ蟹だ!!』万民認めざるを得まい。
ヒゲ爺魚介類味のランキングでは間違いなく超★★★★★。
松葉蟹は雄の大きな松葉ガニ、雌の親ガニ(セコガニ、セイコガニ、コウバコ)、若松葉ガニ(ミズガ二)に分類されている。先ずは松葉ガニから説明する。

マツバ蟹(雄)

茹でるとこうなるマツバカ蟹(雄)

マツバ蟹(雌)

茹でるとこうなるセイコガニ(雌)
『松葉ガニ』とは日本海側山陰地方(島根、鳥取、兵庫、京都府)で獲れるズワイガニの地方名である。
ズワイガニは日本海の冷水域、島根以北北海道、韓国、北朝鮮、ロシア、カナダ、アラスカ等広い海域に棲む大型のカニ。
① 松葉カニ→山陰地方で獲れるズワイガニワイの総称である。
隠岐マツバ(青)、鳥取マツバ(白地に赤)、津居山ガニ(青)、間人ガニ(緑)等々漁獲地の名前付け てブランド化を図っている向きもある。
最近はカニに水揚げ港、○○丸と船名の入ったタグ(カッコ内はタグの色)を一匹毎に付けて固有の名 前で売り出しているようだ。
② 越前ガニ→福井県越前地方で獲れるズワイガニの総称(黄色)である。
③ 上記以外で水揚げされたカニはズワイガニと呼んでいる。北海道ズワイガニ、ロシア産ズワイガニ、カ ナダ産ズワイガニ等々。
★ 何故手間隙掛けて一匹毎にタグを付けるように成ったか?
① 商品に責任を持ち価値を上げブランド化する事。
② 以前には、輸入物等をマツバ蟹、越前蟹と称して産地偽装をして販売したケースが儘あった様だ。偽装 販売防止である。
そんな話を魚業者さんから聞いたことがある。
その魚業者さん曰く、素人さんには区別が付かないだろうが玄人目には一目瞭然だ!そうです。
日本海は北に行く程海底に石が多くカニに傷が付きやすく色焼けも多くなり腹部も黄色ばみ、甲羅や足等の棘が大きく鋭くなる。そんな処で大体の産地の見当が付くそうだ。
一に松葉二に越前三四がなくて五にズワイガニと言われる程見た目にも味にも差が有るとの事。
何故一が松葉か?
太古の昔中国山脈の最高峰大山が噴火した際大量の火山灰が隠岐の島周辺から兵庫県但馬地方の海に堆積しカニに適した漁場を造ったのが原因。
① 堆積土で餌となるヒトデ類ゴカイ,ひる類等が繁殖し易く餌が豊富である。
② 火山灰の堆積土なのでカニに傷が付きにくく甲羅焼けをしにくい。
③ 栄養豊富な土で味が良くなる。
④ カニビルがの卵が付いたものが多いい程カニが硬く身の詰まりが良い。
⑤ 腹部が白又は青白いものが多く見た目も美しい。
⑥ 沈潜が多くカニの棲みやすい環境がある。
《①~⑥は蟹元の資料から引用させて戴いた》
★ マツバカニどの様に大きくなるか?
セコガニ(メスガニ)は1尾のメスガニから約50,000尾程の幼生を孵化させます。孵化したばかりのズワイガニの子供は、最初から海底で生活するのではなく、プランクトンのように海中を浮遊して過ごす。この時期のカニを「浮遊期幼生」という。
孵化したばかりの幼生を;
① プレゾエア(1mm)⇒一時間後には脱皮し ② ゾエア(3mm)1期を経て⇒一ヵ月後再び脱皮し ③ ゾエア2期となる⇒一ヵ月後再び脱皮し⇒ ④ メガロッパとなる。
①~④が「浮遊期幼生」でメガロッパ時期を3~5ヶ月過し再び脱皮し漸く稚蟹として海底で生活する様になる。その間はより小さなプランクトンを餌にして成長する。
その後、稚ガニは脱皮を繰り返しながら、大きくなっていく訳である。甲幅が5cm未満の頃までは、1年に数回の脱皮を行うが5cm以上になると、1年に1回しか脱皮しない。5cm以上のオスガニの脱皮の時期は、およそ9~10月頃です。
メスガニは、稚ガニから10回の脱皮を繰り返し、「第11齢期」(脱皮の回数)になると産卵を行うようになり、いわゆる「親ガニ」となります。「親ガニ」になると、それ以降は脱皮を行わなくなります。このように、生涯の最後の脱皮を「最終脱皮」と呼んでいる。
オスガニが「親ガニ」となる大きさは早いものは「第10齢期」(甲羅幅7cm前後)、遅いものは「第13齢期」(甲幅13cm以上)とかなりの個体差が認められるのが特徴である。
オスガニの親ガニとは交尾が可能となったオスガニのことであり、オスの漁獲制限は甲羅幅9cmなので10齢期で親二ガになったオスガニはそれ以上大きく為らないから漁獲の対象に為らない訳である。
オスガニの「最終脱皮」は「第13齢期」であり成長を止める。
大きな松葉ガニには写真の様に;

カニ蛭の卵とカニ蛭
最終脱皮を終えた松葉ガニには写真の様に黒い斑点様の卵が付いているものが多いい、見た目には良くないがカニ蛭の卵でカニの勲章とも言える。多いい程最終脱皮から時を経ているという訳である。
カニにも人間にも些かも悪い影響を及ぼす物ではない。
良い松葉ガニを選ぶには重さ、甲羅足等の硬い物、カニ蛭の卵の多いカニを選ぶ事を推奨する。
水ガニ(若松葉)とは;9~10月頃に脱皮したオスガニが成長途上にある1月に漁獲解禁となるがあくまで甲羅9cm以上を厳守している。身の入りは松葉の50%程度で水分量も多く、甘さは落ちるが身離れが良く食べ易く中々旨い。
一番の魅力は価格が安い、松葉ガニの10分の1程度買える。

水ガニ
水分が多いいので甲羅から両足を外し茹でて販売している。
カナダ産ロシア産等の多くはこの型で生のまま冷凍し販売している。勿論茹でた物もある。
★ 松葉ガニの喰らい方;
① 茹で蟹⇒捌調理し三杯酢などお好みで食す。
② 刺身⇒生の身を取り出し氷水に漬け松毬状に為る。松葉のガニの名前の由来は多々あるがこれもその一 つかも知れん。
③ 焼き蟹⇒足等を炭火等で焼く。
④ カニ鍋⇒松葉ガニを使うには勿体無い、ミズガニ、カナダ、ロシア産で充分である。最後に雑炊を造る 事を忘れない事、絶品だ。

⑤ 甲羅焼きカニ味噌⇒甲羅の中に濃緑色の味噌状の物が入っている、これをカニ味噌と呼んでいる。脊髄 動物の肝臓、すい臓に当たる。甲羅に集め酒を注ぎ炭火等で焼く、これ又絶品だ。

カニ味噌の甲羅焼き
何れもヒゲ爺魚介類味のランキングでは間違いなく超★★★★★。
★ 親ガニ(セコガニ、香箱ガニ)の喰らい方;
① 茹でガニ⇒捌調理し三杯酢などお好みで食す。
セコには内子(産卵直前の卵)と外子(卵巣)とが有りこれが抜群の味である。

産卵寸前の外子の写真
内子、外子に魅せられて松葉以上と評する者までいる、内のオッカナイもその一人。
② 生のセコガニ⇒味噌汁に限る。
甲羅を外し水ガニの写真の様にし株状(足の付け根部)にする、株に付いているヘタ(肺臓)を取り除 く、水洗い後甲羅はカニ味噌の入った侭に、足株も水から煮立てるこれが原則。味噌はご家庭の味に適 宜。我が家では大根に拘っている。大根しか入れない、調理時間が短いので拍子木切か短冊、半月なら ば薄くがモットウである。
何れもヒゲ爺魚介類味のランキングでは間違いなく超★★★★★。
松葉ガニ編 「完」
ヒゲ爺魚介類味のランキングでは間違いなく超★★★★★。
松葉蟹は雄の大きな松葉ガニ、雌の親ガニ(セコガニ、セイコガニ、コウバコ)、若松葉ガニ(ミズガ二)に分類されている。先ずは松葉ガニから説明する。

マツバ蟹(雄)

茹でるとこうなるマツバカ蟹(雄)

マツバ蟹(雌)

茹でるとこうなるセイコガニ(雌)
『松葉ガニ』とは日本海側山陰地方(島根、鳥取、兵庫、京都府)で獲れるズワイガニの地方名である。
ズワイガニは日本海の冷水域、島根以北北海道、韓国、北朝鮮、ロシア、カナダ、アラスカ等広い海域に棲む大型のカニ。
① 松葉カニ→山陰地方で獲れるズワイガニワイの総称である。
隠岐マツバ(青)、鳥取マツバ(白地に赤)、津居山ガニ(青)、間人ガニ(緑)等々漁獲地の名前付け てブランド化を図っている向きもある。
最近はカニに水揚げ港、○○丸と船名の入ったタグ(カッコ内はタグの色)を一匹毎に付けて固有の名 前で売り出しているようだ。
② 越前ガニ→福井県越前地方で獲れるズワイガニの総称(黄色)である。
③ 上記以外で水揚げされたカニはズワイガニと呼んでいる。北海道ズワイガニ、ロシア産ズワイガニ、カ ナダ産ズワイガニ等々。
★ 何故手間隙掛けて一匹毎にタグを付けるように成ったか?
① 商品に責任を持ち価値を上げブランド化する事。
② 以前には、輸入物等をマツバ蟹、越前蟹と称して産地偽装をして販売したケースが儘あった様だ。偽装 販売防止である。
そんな話を魚業者さんから聞いたことがある。
その魚業者さん曰く、素人さんには区別が付かないだろうが玄人目には一目瞭然だ!そうです。
日本海は北に行く程海底に石が多くカニに傷が付きやすく色焼けも多くなり腹部も黄色ばみ、甲羅や足等の棘が大きく鋭くなる。そんな処で大体の産地の見当が付くそうだ。
一に松葉二に越前三四がなくて五にズワイガニと言われる程見た目にも味にも差が有るとの事。
何故一が松葉か?
太古の昔中国山脈の最高峰大山が噴火した際大量の火山灰が隠岐の島周辺から兵庫県但馬地方の海に堆積しカニに適した漁場を造ったのが原因。
① 堆積土で餌となるヒトデ類ゴカイ,ひる類等が繁殖し易く餌が豊富である。
② 火山灰の堆積土なのでカニに傷が付きにくく甲羅焼けをしにくい。
③ 栄養豊富な土で味が良くなる。
④ カニビルがの卵が付いたものが多いい程カニが硬く身の詰まりが良い。
⑤ 腹部が白又は青白いものが多く見た目も美しい。
⑥ 沈潜が多くカニの棲みやすい環境がある。
《①~⑥は蟹元の資料から引用させて戴いた》
★ マツバカニどの様に大きくなるか?
セコガニ(メスガニ)は1尾のメスガニから約50,000尾程の幼生を孵化させます。孵化したばかりのズワイガニの子供は、最初から海底で生活するのではなく、プランクトンのように海中を浮遊して過ごす。この時期のカニを「浮遊期幼生」という。
孵化したばかりの幼生を;
① プレゾエア(1mm)⇒一時間後には脱皮し ② ゾエア(3mm)1期を経て⇒一ヵ月後再び脱皮し ③ ゾエア2期となる⇒一ヵ月後再び脱皮し⇒ ④ メガロッパとなる。
①~④が「浮遊期幼生」でメガロッパ時期を3~5ヶ月過し再び脱皮し漸く稚蟹として海底で生活する様になる。その間はより小さなプランクトンを餌にして成長する。
その後、稚ガニは脱皮を繰り返しながら、大きくなっていく訳である。甲幅が5cm未満の頃までは、1年に数回の脱皮を行うが5cm以上になると、1年に1回しか脱皮しない。5cm以上のオスガニの脱皮の時期は、およそ9~10月頃です。
メスガニは、稚ガニから10回の脱皮を繰り返し、「第11齢期」(脱皮の回数)になると産卵を行うようになり、いわゆる「親ガニ」となります。「親ガニ」になると、それ以降は脱皮を行わなくなります。このように、生涯の最後の脱皮を「最終脱皮」と呼んでいる。
オスガニが「親ガニ」となる大きさは早いものは「第10齢期」(甲羅幅7cm前後)、遅いものは「第13齢期」(甲幅13cm以上)とかなりの個体差が認められるのが特徴である。
オスガニの親ガニとは交尾が可能となったオスガニのことであり、オスの漁獲制限は甲羅幅9cmなので10齢期で親二ガになったオスガニはそれ以上大きく為らないから漁獲の対象に為らない訳である。
オスガニの「最終脱皮」は「第13齢期」であり成長を止める。
大きな松葉ガニには写真の様に;

カニ蛭の卵とカニ蛭
最終脱皮を終えた松葉ガニには写真の様に黒い斑点様の卵が付いているものが多いい、見た目には良くないがカニ蛭の卵でカニの勲章とも言える。多いい程最終脱皮から時を経ているという訳である。
カニにも人間にも些かも悪い影響を及ぼす物ではない。
良い松葉ガニを選ぶには重さ、甲羅足等の硬い物、カニ蛭の卵の多いカニを選ぶ事を推奨する。
水ガニ(若松葉)とは;9~10月頃に脱皮したオスガニが成長途上にある1月に漁獲解禁となるがあくまで甲羅9cm以上を厳守している。身の入りは松葉の50%程度で水分量も多く、甘さは落ちるが身離れが良く食べ易く中々旨い。
一番の魅力は価格が安い、松葉ガニの10分の1程度買える。

水ガニ
水分が多いいので甲羅から両足を外し茹でて販売している。
カナダ産ロシア産等の多くはこの型で生のまま冷凍し販売している。勿論茹でた物もある。
★ 松葉ガニの喰らい方;
① 茹で蟹⇒捌調理し三杯酢などお好みで食す。
② 刺身⇒生の身を取り出し氷水に漬け松毬状に為る。松葉のガニの名前の由来は多々あるがこれもその一 つかも知れん。
③ 焼き蟹⇒足等を炭火等で焼く。
④ カニ鍋⇒松葉ガニを使うには勿体無い、ミズガニ、カナダ、ロシア産で充分である。最後に雑炊を造る 事を忘れない事、絶品だ。

⑤ 甲羅焼きカニ味噌⇒甲羅の中に濃緑色の味噌状の物が入っている、これをカニ味噌と呼んでいる。脊髄 動物の肝臓、すい臓に当たる。甲羅に集め酒を注ぎ炭火等で焼く、これ又絶品だ。

カニ味噌の甲羅焼き
何れもヒゲ爺魚介類味のランキングでは間違いなく超★★★★★。
★ 親ガニ(セコガニ、香箱ガニ)の喰らい方;
① 茹でガニ⇒捌調理し三杯酢などお好みで食す。
セコには内子(産卵直前の卵)と外子(卵巣)とが有りこれが抜群の味である。

産卵寸前の外子の写真
内子、外子に魅せられて松葉以上と評する者までいる、内のオッカナイもその一人。
② 生のセコガニ⇒味噌汁に限る。
甲羅を外し水ガニの写真の様にし株状(足の付け根部)にする、株に付いているヘタ(肺臓)を取り除 く、水洗い後甲羅はカニ味噌の入った侭に、足株も水から煮立てるこれが原則。味噌はご家庭の味に適 宜。我が家では大根に拘っている。大根しか入れない、調理時間が短いので拍子木切か短冊、半月なら ば薄くがモットウである。
何れもヒゲ爺魚介類味のランキングでは間違いなく超★★★★★。
松葉ガニ編 「完」
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