ヒゲ爺の独り言
エッセイ、昔の思い出話、釣り魚話、喰らい方等々
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ひげ爺の独り言 放談 小噺 『但馬地方の冬の珍味』 ③ ハタハタ
『鯛釣りの外道の魚達』を終えて、ヒゲ爺がブログを始めた最初の編『但馬地方の冬の珍味』に郷帰りしましたので相変わらず訪問して戴けます様お願いします。
③『ハタハタ』

ハタハタ科ハタハタ

獲れたてのハタハタ
スズキ目ワニギス亜目ハタハタ科ハタハタ属に類する魚で和名漢字では「鰰」「雷魚」「鱩」等がある。
ハタハタは本来寒流系の魚で太平洋側では東北以北、日本海側では山陰以北に棲息する魚で大きい物で20cm前後までしか成長しない。普通は200m~400mの深海の砂泥地に棲み昼間は砂泥の中に身を潜め夜間に行動する。11~12月の産卵期には大挙して浅場の海岸近くまで押し寄せて藻葉、その他の海藻に卵を産み付ける。この時は動作も鈍く岸から手網や投網でも獲れるそうだ。それ以外は底引き網で漁獲する。(底引き網の漁期は9月~翌年5月迄)
産卵期の11月~12月は寒冷地では雷が多いので雷とハタハタを関連付けたのであろうか?
電光、稲光のことを古語で「はたはた神」と言った処から「鰰」の字が産まれ、古語で雷が「ゴロゴロ」と鳴るのを「はたたく」と言ったので「雷魚」「鱩」と成った説が定説と為っている。だが異説もある。
ハタ科の魚には何れも「班ハン、ハタラ」があり「ハタラ」の縮語「ハタ班」となり斑紋の多いこの魚をを「班班」(ハタハタ)または「班鱗」(ハタハダ)と書いた説、鱗の事を東海地方では「ハダ」とも言う。雷説斑紋説何れも面白いし旨い魚であることに間違いは無い。

産卵期のハタハタ・最珍味のブリッコを孕んでいる

魚網の人口藻葉に産み付けられたブリッコ(水深3.5m)
コラ 秋田名物 八森鰰(ハタハタ)男鹿で男鹿ブリコ
能代春慶(しゅんけい)桧山納豆 大館曲わっぱ
秋田音頭で唄われる男鹿のブリコは言わずと知れた秋田県魚のハタハタの卵巣である。
ヒゲ爺はハタハタ大好き人間で特級品の称号を与えても良い魚の一つであるが、ブリッコも旨い。他の魚の卵巣の様に外膜が破れて身崩れせず、煮ても焼いても型崩れもしないし、焼けばプリプリ感煮ればネバネバのプリプリで独特の旨みを味わえる一品で木枯らしの季節の熱燗には欠かせぬ肴である。ブリッコ喰わずしてハタハタを語るなと言っても過言ではあるまい。
ヒゲ爺が若い頃の船乗り時代ソ連のナホトカ港に行った時「キャビア缶詰」「ウオッカ」「野いちごジャム」を田舎の土産に持ち帰った事がある、「キャビア」を評して家族全員が「これが世界の三大珍味だってこんな生臭いもの食えもせん」「サバの眞子やハタハタのブリコの方がよっぽど旨いわ!」と言われた事を思い出した。
ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・で始まる詩の作者 室生犀星 のこんな詩を読んだので掲載する。彼は金沢産まれである。
はたはたのうた
室生犀星
はたはたといふさかな、
うすべにいろのはたはた、
はたはたがとれる日は
はたはた雲といふ雲があらはれる。
はたはたやいてたべるのは
北国のこどものごちそうなり。
はたはたみれば
母をおもふも
冬のならひなり。
自分の子供時代を彷彿とさせる詩である。
『喰らい方』
① 煮付け・・・鱗の無いので調理は簡単である。頭を落とし(頭付きの方が良い味が出るが顎に刺状の骨があり結構痛い)卵、白子のある時期には是を残し・・醤油、水、酒か味醂、砂糖をで煮汁を作る、家庭の味に合う塩梅で調合し煮たったらハタハタを入れ再び煮立つまで強火で中火とろ火落とす、小魚なので強火を長くしないことが肝要である。
ヒゲ爺の場合は頭を落とし鰓を取り出し、煮汁を多めに作り身と一緒に頭も煮る。煮上がったら身を取り出し頭だけを再度煮つめて後頭を取り出して冷まし、冷蔵庫で冷やせばゼラチン質の「煮凝り」の出来上がりである。滅法旨い、一度お試しあれ!
② 干物、一夜干し・・・鰓と内臓(頭を落とせば簡単)を取り尺塩(説明済)するか5~6%の塩水を作り1時間程度漬け込んで天日で乾すだけである。「干物は風で乾せ」と言われている、風のある夜は良い一夜干しが出来る。干物網、笊を利用するとよい。一夜干しはジューシーで酒のアテには最高である。
『地方名』
現在ではハタハタが全国共通の呼名と為っている。
① カミナリウオ(東北各地)初冬の雷鳴の多い頃に沢山獲れるから・・・。
② サタケウオ(秋田)関が原の戦いの終戦後常陸の領主 佐竹氏が西軍に内通したとの嫌疑を掛けられ禄高も半減されて秋田に左遷された。以来秋田のハタハタの漁獲量が増えた為「常陸のハタハタが殿を慕って付いて来た」との俗説からの呼名である。
③ カハタ(鳥取)体色が銀白色で小刀の形に似ており斑紋を波紋に見立てた呼名であろう。
④ オキアジ(山陰)シマアジ(新潟)体型がアジに似ているからの呼称であろう。
ヒゲ爺小噺:
ヒゲ爺 :「最近のテレビに出る若い女の子は カマトトが多いなぁ」
八 :「何のコッタイそりゃあ?」
ヒゲ爺 :「カマボコ(蒲鉾)はトト(魚)かと尋ねた上方の遊郭の花魁から出た言葉で、知っていながら知らない振りをする女のことを言うんさね!」
八 :「嫌だね、カマトトは!下ネタ話をすりゃあアラ!何の事等と宣うに違えねぇ」
ヒゲ爺 :「最近の新語で知らない癖して知ったか振りをする女をブリッコと言うらしいよ、カマトトブリッコさなぁ」
八 :「俺はハタハタブリッコの方が良い!!」
ヒゲ爺小噺:
ヒゲ爺 :「八やん、今日の紋付袴は粋だねぇ!かまぼこだな!」
八 :「かまぼこたぁ、何のこったい?」
ヒゲ爺 :「板に付いてる」
お後が宜しい様で!!
③『ハタハタ』

ハタハタ科ハタハタ

獲れたてのハタハタ
スズキ目ワニギス亜目ハタハタ科ハタハタ属に類する魚で和名漢字では「鰰」「雷魚」「鱩」等がある。
ハタハタは本来寒流系の魚で太平洋側では東北以北、日本海側では山陰以北に棲息する魚で大きい物で20cm前後までしか成長しない。普通は200m~400mの深海の砂泥地に棲み昼間は砂泥の中に身を潜め夜間に行動する。11~12月の産卵期には大挙して浅場の海岸近くまで押し寄せて藻葉、その他の海藻に卵を産み付ける。この時は動作も鈍く岸から手網や投網でも獲れるそうだ。それ以外は底引き網で漁獲する。(底引き網の漁期は9月~翌年5月迄)
産卵期の11月~12月は寒冷地では雷が多いので雷とハタハタを関連付けたのであろうか?
電光、稲光のことを古語で「はたはた神」と言った処から「鰰」の字が産まれ、古語で雷が「ゴロゴロ」と鳴るのを「はたたく」と言ったので「雷魚」「鱩」と成った説が定説と為っている。だが異説もある。
ハタ科の魚には何れも「班ハン、ハタラ」があり「ハタラ」の縮語「ハタ班」となり斑紋の多いこの魚をを「班班」(ハタハタ)または「班鱗」(ハタハダ)と書いた説、鱗の事を東海地方では「ハダ」とも言う。雷説斑紋説何れも面白いし旨い魚であることに間違いは無い。

産卵期のハタハタ・最珍味のブリッコを孕んでいる

魚網の人口藻葉に産み付けられたブリッコ(水深3.5m)
コラ 秋田名物 八森鰰(ハタハタ)男鹿で男鹿ブリコ
能代春慶(しゅんけい)桧山納豆 大館曲わっぱ
秋田音頭で唄われる男鹿のブリコは言わずと知れた秋田県魚のハタハタの卵巣である。
ヒゲ爺はハタハタ大好き人間で特級品の称号を与えても良い魚の一つであるが、ブリッコも旨い。他の魚の卵巣の様に外膜が破れて身崩れせず、煮ても焼いても型崩れもしないし、焼けばプリプリ感煮ればネバネバのプリプリで独特の旨みを味わえる一品で木枯らしの季節の熱燗には欠かせぬ肴である。ブリッコ喰わずしてハタハタを語るなと言っても過言ではあるまい。
ヒゲ爺が若い頃の船乗り時代ソ連のナホトカ港に行った時「キャビア缶詰」「ウオッカ」「野いちごジャム」を田舎の土産に持ち帰った事がある、「キャビア」を評して家族全員が「これが世界の三大珍味だってこんな生臭いもの食えもせん」「サバの眞子やハタハタのブリコの方がよっぽど旨いわ!」と言われた事を思い出した。
ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・で始まる詩の作者 室生犀星 のこんな詩を読んだので掲載する。彼は金沢産まれである。
はたはたのうた
室生犀星
はたはたといふさかな、
うすべにいろのはたはた、
はたはたがとれる日は
はたはた雲といふ雲があらはれる。
はたはたやいてたべるのは
北国のこどものごちそうなり。
はたはたみれば
母をおもふも
冬のならひなり。
自分の子供時代を彷彿とさせる詩である。
『喰らい方』
① 煮付け・・・鱗の無いので調理は簡単である。頭を落とし(頭付きの方が良い味が出るが顎に刺状の骨があり結構痛い)卵、白子のある時期には是を残し・・醤油、水、酒か味醂、砂糖をで煮汁を作る、家庭の味に合う塩梅で調合し煮たったらハタハタを入れ再び煮立つまで強火で中火とろ火落とす、小魚なので強火を長くしないことが肝要である。
ヒゲ爺の場合は頭を落とし鰓を取り出し、煮汁を多めに作り身と一緒に頭も煮る。煮上がったら身を取り出し頭だけを再度煮つめて後頭を取り出して冷まし、冷蔵庫で冷やせばゼラチン質の「煮凝り」の出来上がりである。滅法旨い、一度お試しあれ!
② 干物、一夜干し・・・鰓と内臓(頭を落とせば簡単)を取り尺塩(説明済)するか5~6%の塩水を作り1時間程度漬け込んで天日で乾すだけである。「干物は風で乾せ」と言われている、風のある夜は良い一夜干しが出来る。干物網、笊を利用するとよい。一夜干しはジューシーで酒のアテには最高である。
『地方名』
現在ではハタハタが全国共通の呼名と為っている。
① カミナリウオ(東北各地)初冬の雷鳴の多い頃に沢山獲れるから・・・。
② サタケウオ(秋田)関が原の戦いの終戦後常陸の領主 佐竹氏が西軍に内通したとの嫌疑を掛けられ禄高も半減されて秋田に左遷された。以来秋田のハタハタの漁獲量が増えた為「常陸のハタハタが殿を慕って付いて来た」との俗説からの呼名である。
③ カハタ(鳥取)体色が銀白色で小刀の形に似ており斑紋を波紋に見立てた呼名であろう。
④ オキアジ(山陰)シマアジ(新潟)体型がアジに似ているからの呼称であろう。
ヒゲ爺小噺:
ヒゲ爺 :「最近のテレビに出る若い女の子は カマトトが多いなぁ」
八 :「何のコッタイそりゃあ?」
ヒゲ爺 :「カマボコ(蒲鉾)はトト(魚)かと尋ねた上方の遊郭の花魁から出た言葉で、知っていながら知らない振りをする女のことを言うんさね!」
八 :「嫌だね、カマトトは!下ネタ話をすりゃあアラ!何の事等と宣うに違えねぇ」
ヒゲ爺 :「最近の新語で知らない癖して知ったか振りをする女をブリッコと言うらしいよ、カマトトブリッコさなぁ」
八 :「俺はハタハタブリッコの方が良い!!」
ヒゲ爺小噺:
ヒゲ爺 :「八やん、今日の紋付袴は粋だねぇ!かまぼこだな!」
八 :「かまぼこたぁ、何のこったい?」
ヒゲ爺 :「板に付いてる」
お後が宜しい様で!!
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コメント
§ 但馬地方の冬の珍味楽しみ
久しぶりに但馬地方の冬の珍味が登場!
ハタハタやブリっ子となれば 秋田など東北の日本海側
と思っていましたが、但馬地方のは大振りのようですね
15センチほどのが売っていたので 鍋にして食べました。
ブリっ子はまだ入ってないのでオスなのか・・・・・・・
醤油味で・・・・・まあまあでした。
但馬地方の冬の珍味を書くヒゲ爺も かまぼこだな
ハタハタやブリっ子となれば 秋田など東北の日本海側
と思っていましたが、但馬地方のは大振りのようですね
15センチほどのが売っていたので 鍋にして食べました。
ブリっ子はまだ入ってないのでオスなのか・・・・・・・
醤油味で・・・・・まあまあでした。
但馬地方の冬の珍味を書くヒゲ爺も かまぼこだな
§ Re: 但馬地方の冬の珍味楽しみ
コメントオオキニ!
ブリッコ孕むにゃチョッと早い季節じゃ無かろうかな!
「もう少しお待ち下さい。二月もすればプリプリのプチプチを
お目に掛けましょう」(ハタハタ談)。
干物を作るに良い季節です。一夜干しに挑戦しては如何です。
簡単ですよ!
頭取り 内臓出して 水洗い
しおみず漬けて あみかごに干す
ハタハタの一夜干しの完成です。あみかごはアジ編参照。
ブリッコ孕むにゃチョッと早い季節じゃ無かろうかな!
「もう少しお待ち下さい。二月もすればプリプリのプチプチを
お目に掛けましょう」(ハタハタ談)。
干物を作るに良い季節です。一夜干しに挑戦しては如何です。
簡単ですよ!
頭取り 内臓出して 水洗い
しおみず漬けて あみかごに干す
ハタハタの一夜干しの完成です。あみかごはアジ編参照。
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